君と僕 あまりに違いすぎていて オレンジにも時計にもなれやしない
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あの道に咲く紫陽花も忘れてた ごめん、もうすぐ夏が始まる
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黒見上げ 瞳の中に 咲いた花 ﹁きれい﹂だなんて あなたの方が
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さよならを 告げた唇 その本意 君のことずっと 好きでいたいから
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誰よりも お互い都合が 良いはずで それはいつしか 会う口実で
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「お前は誰?」 毎日鏡に問い続ける 案外すんなり 教えてくれたよ
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もしある日 何かの拍子に 気がふれて 君を嫌いになったらどうしよ
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朝が来て 光を浴びたら 焼けてしまう もしや私は みみずなのでは
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神さまの ブログが更新されるたび “その日”が来ないか びくびくしてる
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従兄弟より ちょっと遠い 親戚の お兄ちゃんみたいなあなたが好き
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まぶしくて ただそれだけで 苦しいのに ちょっとさびしそうに笑わないで
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大丈夫私はあなたが思うほど不幸じゃないわだからさよなら
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笑顔とか声の張りとかそんなものいつでも正すいくらでも狂う
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雨粒の音で掻き消せ、いなくなれ 「君がほんとに大好きでした」
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嘆きつつ 一人寝た夜の翌朝は ピローケースに夢魔の爪痕
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白い雲 潮の匂いと 蝉の声 最後となれば 全て愛しき
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遥かなる シオンを思い 祈ります 御霊よ我に 触れてください
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ささやかな 幸せいつも くれるから 道路に落ちる 影らはふたつ
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目ざめれば 君の名残りが 漏れつたう 朝日に透ける 肌よ哀しき
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雨の夜に雨を詠むのは陳腐だと そんな感覚どこで買ったの
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隙を見て濃いめに作ったカルピスの甘美な味と安いしあわせ
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さらさらり吾が耳裏を滑りゆく雨音数えてうつつうたた寝
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靴擦れを起こした時に湧いて出る痛み思い出すきらいな女
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君を振るあんな女は忘れろよ焼きそばうまいし空は青いぜ
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心から 噴水のごとく 吹き出る血 適切な距離を 取ってください
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歯を立てた 肌が赤らむ 残る痕 気持ち受け止め 涙を拭って
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そら詠まねば生き易かろう、歌なんぞ, though どうしても息が詰まって
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ゼロになれ 真っ白になれ 今日の日が新たな君の生年月日
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濡れた路面 止まれの標示 白く光る まるであたしを 諌めるように
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胸のうち鉛の虫が這い回る 全てのものを憎みきる夏
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