僕たちの音たてるよなぎこちなさ 心のどこかでオイルが不足
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残業が終わった帰途で忘れ物に気づいた復路その虚しさよ
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失恋を「うんうん」と言って聞いてくれた師は黙って天国に行く
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千年後 僕の化石を見た人が ユリのようだと言ってくれたら
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窓から望む青空に目もくれずブルーライトで網膜を焼く
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ぼっちだと揶揄されもする孤独こそ 私を私 たらしめる
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宗教の冊子みたいな澄んだ空見に行こうよと君がのたまう
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おのれより死近きもので満たされる朝の整形外科の待合
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邦と邦を何隔てるか稔るともたれ収穫するものなき熟麦、やがては
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富満てて虚栄の名残今は唯うちひしがるるべし 群衆無く静もれる謝肉祭
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虜囚の貌 労働と銭貨の正しきを未明死の企図に充てて悼むも
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敢ていふ祖国喪失せる測量器になに誇るも無き落日、自死さへ
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歴史より個我を貴ぶ 岩のうへ蒔かれて終ぞ実らざる種子
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退屈な日々をなげく友の話 〆切前にDiscordで聞く
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とお下の従弟にあげる参考書 相合い傘の落書き消せぬ
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「きっかけがあればやるから」本心は「何を言っても無駄だと知って」
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最短で君に会いたいだけなのに内緒なんて意地悪だよね
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ぼく達がなぜ その問いだってわからないのだから絶滅収容所なんてしらない
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戦争は呼吸みたいでひとごろしはどの少年漫画でもかっこいいじゃん。 
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液化した市街電車にはことごとく だって正当防衛だったんだから
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夏のオルガン 戦争賛美に燃えて以降憎しみはジェラートの融点と同じ?
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ぼく達の敵基地ってどこ 夏がきて「告ぐ、直ちに投降せよ」虐殺前夜通達
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世が世なら聖者の証であったかもしれない何かで痩せている人
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胡麻団子にするには足りない黒点の量だな箇条書きなどしつつ
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祖父宅の土間に嵌まった磨りガラスだけにほんとの雪が降ってる
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試験前借りたノートの片隅に 消しゴムの跡あたしの名前
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もうダメだ 物理のテストあきらめて 答案用紙に『センセ、助けて』
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戯れに友が学机つくえに書いた歌詞 ヤツには似合わずオレはニンマリ
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紫のコンバースにて踏み入れる夢でみたあの向日葵畑
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青色のエアジョーダンで 跳ぶ君が最高地点達したときに
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