太陽を知っているのかキッチンの光でなんか育つな豆苗
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見えていて無視されているよりましだわたしはきっと透明なんだ
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骨抜きにされたナゲットまるくなり相槌をただ延々と打つ
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深海に落ちていく様な眠りから私を起こすあなたはマーマン
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眠たそな午前10時のきみの顔 馬鹿に愛しく両手を広げる
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毎晩と共寝しているぬいぐるみ右側だけがわしゃわしゃになる
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久々の晴れ空仰いでシーツ干す 清々しさなら私が優勝
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しゃわしゃわと蝉の声で我に返る 挨拶もなく夏は来ていた
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𝄆𝄻𝆑𝆑𝆑𝆑𝄇猛烈な休符は好きなだけ無限𝄐終わりのcorona・終止符はnull
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緘黙の理由ばかりが巧くなる無韻詩ブランクヴァースのごとき生活
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家族でもその距離が違う忘れたい忘れたくない飼い犬の命日
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この国の未来に悲観するけれど甥ふたりには良きものであれ
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玄関に一粒落ちてたさくらんぼ神の啓示 否 小鳥の告白
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‪適職は作家に詩人うそばかりわたしをかわいそうにしないで‬
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エイリアンだったならいい言葉すら通じなくても苛立たず済む
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「あのひとを 人のかたちに戻したい」「あれはそんなの 望んじゃいない」
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不機嫌が続く私に不器用な君が選んだ三つのケーキ
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引き千切れ引き千切れこころカサカサと鳴るはずが水かぶり重く
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ごめんね、目を離したら消えてしまう気がして君をここに埋めたの
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触れていて 抱きしめないで 分かってる 見えてないんだ、ほんとは何も
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脆すぎて 今にもがらがら 崩れそう 意思と理性と 化粧と一緒に
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「もう一度触れてください」、改札の声に物語を見てしまう
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『憧れる』その感情を 軽んずるな 『こがれる』って字が 入ってんだろが
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「やさしさに容赦なんかはいりません」誤訳と気付くがそのままにする
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冷凍の焼きおにぎりを温める 生理で唯一出来るお料理
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洗われぬ食器が居座るシンクを見 殺してやるとこぼした今日も
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気持ちだけもらっておくよ 君と僕混ぜるな危険と書いてあるでしょう
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小暑過ぎ英語のワーク脇挟みこのようにして君を抱きたい
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死にたさは無色透明 水のごと我の身体の隅まで染みゆく
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心労のしんしんと降る十一時濡れた寝床ですこしだけ伏す
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