もこもこと積乱雲を乗り越えて夏の向こうに行ける気がした
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ただひとつ望みを叶えてくれるなら 願うことなどない人生を
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カーテンにはね返された光粒こうりゅうの断片でいい 譲ってくれない?
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おとといの紙飛行機がパリを越え 地中海のあくたとならば
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髪型も服の好みも住むとこも男も変えてそのままわたし
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墨こぼし 染め布になる 制服の 色を言うなら 「焦夜色こがしよのいろ
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このままで いさせて欲しい 君だけど 私は早く テレビ見たいの
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5分ごと 重ねがけにした目覚ましも 私の翼は奪えなかった
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窓覆うあけびの葉叩く通り雨 一服涼得た虫の響きよ
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誕生日、血液型も教えてね 占ったりはしたくないけど
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君のこと知ったかぶりをしていたの 顔と名前と生年月日
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蚊に刺され昨年ぶりのキンカンの蓋を開ければ鼻を突く夏
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もう二度と会えないような顔なんてしなかったじゃん桜の下で
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あぁ、そうか あの日の報いか あの晩に 俺が世界を 呪ったからか
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イケメンと一緒にUNIQLO行ってみな 己を知るとはこれかと思うぜ
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悲しみが 目から耳から 吹き出して やがておぞましい 木になるでしょう
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僕の手をグローブみたいと笑ってる甘い指先君が滴る
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ひらひらと金魚が踊るこの空もいつか日常になるのですか?
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「私には何もない」って言いながら膝を抱えて飲む発泡酒
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君の肩に触れる二人乗りさえも夢のまた夢このセカイでは
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私が私を愛せないから君も私を愛せない、知ってた
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枕にされる右腕が花火みたいにぱちぱち痺れるルーチン
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外へ出よ僕を責め立てる蝉の声 知らない夏が始まっていた
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泣かないで君の涙をビー玉に変える力が僕にまだ無い
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さみしさを言葉でうたう小宇宙漂う僕らはみなしごのよう
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フナムシの磯の臭いの乱杭歯 瓶詰めされた乾いた手紙
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ゴミ箱に貝殻入れたあの日から うちの近所の猫が逃げてく
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へべれけでふらふらするがそんなのはお酒で流すロックな夜だ
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「いい子だね 僕のためだけにないてよ」近づき誘う生まれたての獣
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人生を捧げてもいい君になら 永遠誓い花束で殴る
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