世の中の 悲しみすべて 湛えてる 土砂降りの中 人を待つ犬
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上野駅のわずかに低い天井と東人あずまびとらにあいさつをする
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お菊さん回転寿司でバイトして十枚数えて晴れて成仏
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寒空の下でタイヤ交換す 父子の共同作業は楽しげ
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いつもならしんどい土曜勤務でも 息子が待つ思えば頑張れる不思議
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窓の外 怒鳴り声みたい 風のおと 体をきゅっと 固めてしまう
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炭酸泉に素足を浸し祈る 薄膜よ、我を守り給え
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人生を語って、あなたが歩いた道を知って、長い睫毛に見惚れるのが恋

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好きな子に告白できず遠くからただ見つめ小僧すごく控え目
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店閉じた ラーメン店の 後継ぎで 食す嬉しき 巣鴨の処寒
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ネットにて おそらく調べられぬもの 最寄りのポストの収集時間
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外掃除ぬしかたわら渦巻きの尻尾がいいね猫が付き
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やい民谷お岩に何をしたんだと問い詰められてもそりゃいえんもん
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お岩さん伊右衛門に何されたのと問いただしたら小声でヒソヒソ
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バケモノも高齢化してようかいご天井を日々ただ見つめ小僧
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だいぶ早い忘年会の日 近づいて クリスマスケーキも 予約まだだよ
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旦那氏が職場で貰ってきたりんご ちま猫ちゃんの頭よりデカい
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食い気味に「知っているよ」と言う三歳きみはホントに知っているような目で
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布団から出られないのは雪なのか寝ぼけた頭懸命に起こす
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親指に圧を加えて待つ逢瀬 二十三時ならまだ、そこにいるよね
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グッドモーニング    全ての場所は想像よりもちょっとだけ遠い
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遮光カーテンを 開ければ 秋冬あきふゆの 狭間の空が 見上げる程で
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掌にそっと結晶のせてみるじわりと溶けて冬が舞い出す
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二日ぶり「デカいう〇こが出た」と言い笑い転げる日々はいつまで
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V字描き低く飛び行く白鳥の見ゆる大地の白ひと色に
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おみくじをぐるぐる回し引き当てる大吉手にし蒼天仰ぐ
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あかるさに慣れてしまった化物は二度と夜には帰れないのに
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大空をパラセーリング羽ばたいてこれが「自由」の代名詞かも
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煮え切らない暮らしをほんの少しだけ あなたに褒めてもらいたいだけ
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ほくろとかシミとか、数えると増えるよ  じゃあ幸せも? ひいふうみ
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