この街は果物買える余裕なく、ハンバーガーの哀歌が流行る
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透過する湿った風に煽られて上着の裾は闘魚の尾鰭
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後回しするな今やれ思うほど老いは気楽なものではないぞ
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生きていくことはそもそも大変でやりがいなんて邪魔なだけだよ
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「ご一緒にいかがですか」とチケットを、ポテトみたいに誘う休日
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北海道、右手で握ってブーメラン🪃暇を持て余した神々のあそび👴
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積む雪は弥生半ばを知らざるや陽射しに敢なく跡形もなし
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菜の花もふきのとうでも摘み頃を過ぎた新芽に魅力など無い
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ときめくものそれだけ残せということで貴方のことをこれから捨てます
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服ダサい、部屋が汚い、だらしない、甲斐性なしのダメな男ねダメなとこ そんなところも かわいいの 好き好き好き好き全部好きなの
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コンビニのドリアの深さみたいだね 飲み会のがや ぜんぶのはなし
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屋根たたく雨の音が好きなんだ 私はここで守られている
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素手でかえるを捕まえる君が目の前でうどんをすすっている
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君に抱く説明できない感情はおそらく未知の素粒子のせい
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冬ごもり 春は青しと知らぬものよピンと張る 縒り合わせた糸が切れるなんて 片糸より添ふ先に君見えず春は名ばかり 心冬ごもり
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里山に山吹の花燦々と 女神に捧ぐ太陽のかん
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ぶらぶらと過ごす老後のわびしさよ男だったら立てもう一度
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木の陰のひとりしずかの花化粧 さくらの紅にひそかに染まる
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ほろ酔いの わたしはあなたに よりかかる (わたしはあなたのものになりたい)
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「さよなら」と君がいうから死んじゃうと思い込んでた野球の話
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「ごめんね」と 謝る君に淋しいな。 頼られたいと 願うだけだよ
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母九十二 今日また入院 今度はダメか 幾度も思うが 生きる生きる
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プレステとスマホ動画を同時にprayプレイ ああ恐るべしZ世代よ
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遠足の前日のよなワクワク感 バナナは持たずに明日からバカンス
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昔から他人ひとと比べる自分嫌い 短歌うたはそれぞれ自由でいいよね?
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完全に染まりきるまで待っている青と赤との境目に立ち
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もうこない たけのこあきらめ 購えば まさかの到来 当分たけのこ
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信夫山木隠れにのみ行く水のに立てつべくものを思ふかな
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ゆるやかに弓張月は夕暮にゆかり色への夢路をたどり
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ほろ酔いで飽かずに盃は重ねられ西船橋の前で目覚める
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