ゆったりと休みを過ごそうその方がいいだろうなあ大人な気がする
2
夏の終わり買いたい服もなくてねえクレープ食べてスーパーに行く
2
ソーダ水に何度も何度も沈めてる氷は私の「すき」のきもちだ
8
電極を挿したらどんな顔をする?実験しようサイコアナルシス!
2
冴えていく黒犬の目の赤光り天使の微笑でまた醒めていく
1
しょうしんの影に見ゆるは虚仮おどしドーナツのそれ詐欺師の夏よ!
1
よるびかりあさのけはいも立ち消えに孤独が嗤ってぼくの戦友
3
ひさかたのinfra red赤外光を透かし見て可視光域の傲慢を知る
4
ちかちかと歌う骨ども吊るされて 抱えそびれた熱撒き散らす
1
同じ時同じ衣装の人々が同じ容器に容れられている
3
シニフィエとシニフィアンとの待ち合わせいつものカフェに待つのは他人
4
問診票モンシロチョウの羽根の色いま何色に見えていますか?
8
固まりて動かぬものをときそむるそつと染みいる水と時間と
5
国境の長いトンネルを抜けるとわたしが生まれる前の景色
2
何もなく何もせずまた何ものでもなき個体への青白き夜
4
あまたなる青にこころを見透かされ遠く深く濃く見返してゐる
5
とけあふこと無き青ゆゑに潔く水平線に世界を分かつ
4
ハッカ飴 缶の深底みそこに固まりて白く切なき闇となりぬる
3
視聴覚味覚嗅覚各器官百合の間に挟まりたい
2
そろそろと降りつむ黴に傘閉じて 優しき病膏肓に入る
4
なにもかも母の耳にはつつぬけだ好きなAV女優の名さえ
1
嘘らしく漂白されたひとごとに月夜が灯り纏うしがらみ
3
爆発の勢いなるに吹き溜まりわれら三十周辺男子
2
ふさがりて雑想四方に飛び散らん我が雑事板よふざけるなかれ
3
かぐわしき苔と美女なる相関性今日とて『みだれ髪』持ち歩く
4
世界中みんなが泣いてただ泣いて涙の海でみんな溺れろ
2
なんでなの 大事なことは忘れるし余計なことは覚えているの
5
今まさにまっさらさらになりました黒酢を飲んでタバコは辞めたぜ
1
あんなにも役に立たない男って単一電池くらいのものよ
5
いま星が終わる音したてのひらに錆釘五本突き立てて待つ
3