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進みゆく在りかた常に同じくも時は人にて捻じ曲げらるる
3
男性を愛するあなたその眼にはわたしがどんな色に映るの?
1
敗戦忌高校球児に伝えたく午後零時にはサイレンの鳴る
3
我思うそう思うのもまた我か自己言及の無限増殖
1
愛してた 糸は行き先 わかっちゃった だから自分の体ちょんぎった
0
満月はなるべく見ないほうがいいあなたの眠りさまたげるから
3
古い血を抜いた肢体を横たえて仮死状態で明日の陽を待つ
2
主語および目的語さえ用いずに自他の別をも融かす民族
7
自己と他者過去と未来の区別すらない新しい世界の知覚
2
八月のマイナス二度の部屋の中寄り添う
理由
(
わけ
)
を探しているの
3
恋人の服を優しく脱がすように あなたは魚を骨だけにする
3
火葬場で 焼き上がりまで寿司食えば 膨れた腹が命教える
1
"I love you"「月が綺麗」と訳すなら雪の日はきっと"Stay with me"
11
「適応を覚えなさい」と叱咤する日本生まれのSuicaペンギン
4
秋と書きときと読む意を思ひつつ人の秋いま彩りそむる
3
瑠璃壜の光を汲める薔薇あまたくれなゐ圧して慎む能はず
2
花野にて夢みることを連れてゆく枯野へ向かふ白きなるみち
3
旅先で食べるつもりでいた
林檎
(
りんご
)
食べぬまま
也家路共
(
なりいえじとも
)
にす
6
ことのはが五や七求め漂えばただちに逮捕短歌禁止法
3
故郷のおいしいご飯と広い風呂 素直になぁれっ素直になぁれっ
3
血の地図を辿るとちゅうで湧き水のこんこんと湧くほとりに憩う
1
「ぼくたちは遠い親戚なんだね」と夢で出会った少年は言う
3
にいちゃんのエロ本の山に紛れてる中原中也の詩集のきもち
5
もう君はノートの端に落書きをしては私に見せてくれない
0
また明日ねって明日隕石が衝突したら会えないじゃんか
4
もしかして前世は花屋の店先で隣同士で咲いていたかも
4
均等な間隔をおいて植えられた黄色や赤に将来はある
1
あか、みどり、とりどりの服とり替えてとり憑くものもわたしの虜
2
讃州の乾いた夏に讃の子と打たれて遊ぶ
虹
(
こう
)
の滝かな
2
自我をトンテンカンテンして上から瓦屋根を乗せる
1
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