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ジャンコクトゥ冬の夢にし孤独性くらき部屋より光のざわめき!
3
世界旅何時の時から貧乏旅セリーヌの夢眠りの宿
1
まちがいはいつのときでもトルコ人かろやか飛翔きみ愛唄う
2
へいたんなきみどりのなかあるく夢ここは絵本のなかの草原
2
迷いしの宮殿でもなく血でもなくただ貴方への愛の計量
1
重き指成れるは果ての夜の旅北国画家が静かに微笑む
3
祖国とて 星の瞬き 夜憂夢 ピアノの調べ ハンガリーなり也
2
めいていの底とうめいな瓶の底透かしてひかる非常口の灯
2
すつぽりと麦わら帽子の翳にある昏きにしづみ広がる世界
2
翳のなか人みな光りうごきゆく夏日の白きフイルムに流れ
3
麦わらの帽子のつばをめくる風ゆき先をもう知りてゐるかな
3
ワンピース袖からのぞく肩紐をそっとくぐって夏は過ぎゆく
7
背後から呼ぶはわたしの亡霊かもしももしもと泣いている声
6
ここにいるわたしを選び生きてゆく選ばなかったまぼろしを連れ
11
彼
方
(
あなた
)
には龍の雲ありしたたかに雨落とす影白々と立ち
6
後輩を育て続ける環境を整える気があなたにあるか
1
見通しのよい地点から沈む陽を見ていたずっとこうしたかった
7
変わらずに毎日きみを待つぼくを線香と花のにおいがつつむ
1
炎天下はずむ足どり買ってきた君のおすすめバルサミコ酢を
2
風吹かば足元そよぐ彩りのくしゃりと鳴らす秋の訪れ
2
何もせぬ今日を過ごして良き日だと肯定できる自分を創りぬ
4
図書館にいると聞こえる野球児の声は夏を終えていた
1
夢みたい きみとふたりで待ち合わせ 明日になるのが うれしい こわい
4
引き鉄を引いた瞬間 得体ない真黒きものが俺を蝕む
4
冷房を最強にして毛糸編む 今はまだ夏 今はまだ夏
8
巻貝の螺旋のおくの白き歌とほき日こぼし漂ひ出づる
5
思ひ出の影白くして流れ来て昔のことを巻貝は吹く
3
謎解きをさそふ螺旋を巻きながら貝の話は白に消ゆるや
4
朝足らず 仕事の時は 長過ぎて 夜また縮む 相対性理論
2
ルマンドの中に生まれた空洞が教えてくれた生きるむなしさ
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