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春闘も 鳴くだけ無駄とホトトギス 季節移るも景色変わらず
7
巣立ち行く 君のにぎやか遠くなり 机や椅子に残り香遊ぶ
13
毎週金曜に出勤するたび降る雪に「もう三月なのに」とついぼやきけり
5
頸筋に四季折々の掌が重なっており瞑想の夜
3
親が喜ぶから「好き」と食べて見せたホタルイカでえずく晩酌
8
北欧のパン捏ねたる老いた手よ伝統紡ぎし美しき手よ
7
「歪む」って 「不正」って書くね、そういえば あ、それだけです じゃあまた明日
4
吾子が
描
(
えが
)
いたデタラメな線にカンディンスキーの息吹宿りて
3
なんでもない夜にあなたとドーナツを食べられる関係になりたいのです
8
記念日に食べるフレンチもいいけれど なんでもない日のミスドも嬉しい
5
今年はもうニットの服は着おさめだ インターホンを春が押してる
11
最高な気分をいつも自分で台無しするのを 20年以上繰り返してる
5
めんどくさい あぁめんどくさい めんどくさい コレがずっと生活を牛耳る
3
へらへらと笑う貴方とその罪は もはや裁けぬ 私以外に
3
春なんて別れるだけで悲しくて出会いなんかは求めないから
14
三月の吹雪に縮むふきのとうゴメン私は春が嫌なの
15
友達から「終活中で」と数枚の布地届きてあれこれ思案
13
ただ空を見上げていたい、言う君に そっと
点
(
さ
)
したる月の目薬
15
ほらここに君のためなら何だってしようと思う男が一人
7
静けさは ぬばたまの夜 薄氷の 撓むが如き 紅をひく月
7
音もなき 今際の淵に しずむなら 聞こえるだろう いつくしむ聲
8
願いかい? 生の期日に 音もなき みずのなかより そらをみること
3
舌先でドロップの文字読みながら君を待ちます 霖雨の間
2
やがて知れ うつろひの世を 行く河に 差す翳は吾 華曇らしむ
3
時給からはみ出す分の頑張りを靴で踏み消す深夜のバイト
8
もし君が また下の名で 僕のこと 呼んでくれたら それだけでいい
5
地下鉄を 彷徨う夜は 何気なく あの子のくれた 一輪が杖
5
市が推しのフレイル予防講習へそれを恐れる歳となりたり
14
いたづらに 苦界な生みそ きみがため 愛別離苦ぞ 已むなけれども
2
わがままを言ってしまって後悔す 「お前は
何歳
(
いくつ
)
だ」自分を殴る
9
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