クリスマスツリーがカップル襲うなら寂しくはない僕はひとりでも
8
「たたんでくれてありがとう」の一文のために豆乳を選んでる
2
野ウサギを 追っかけ穴に落っこちて 気づいた、あたしアリスじゃないわ。
4
真心を込めて愛する何もかも三十一字で守る試み
4
こちら月 あなたの部屋の窓枠の右上ちょっとお邪魔させてね
5
目覚めなきゃ 目覚めていなきゃ 駄目なのに 夢の中では 君に会えない
1
骨折れて 心も折れて 時伸びる 世の忙しなさ 嘲笑う我
1
押されれば倒れますよと匂わされ押しはしません押されるまでは
3
君は積み重ねたもので出来ており だから迷わず そこから飛べる
2
居酒屋で受験勉強した夜は思い出せない深い記憶に
4
指先でキーホルダーはくるくると回る 第一宇宙速度で
8
アクリルの板越しに涙ぐむ君は誰と話しているのか板か
3
残業の業は時計を見て残業の時間をたしかめることです
3
「黒井さん。貴方の死因は ただ一つ」 「〝赤〞じゃなかった、ただそれだけです」
3
この胸に楔を打てば砕け散る ガラスが割れた夜の数だけ
3
世界から 裏切られた、と言うけれど 背を向けてたのは 君のほうでは?
3
〝生きる〞とは 辻褄合わせかさもなくば 敗戦処理とも 言えるだろうな
2
車椅子窓越しの海余生かな夕暮れに鳶一羽飛び発つ
3
最高にイカした上句ができたって? じゃあゴミ箱に捨てる覚悟は?
1
木星が間もなく見えてございますスゥパァドラララララララアイ
2
ヘアゴムで留めないままの三つ編みがほどける頃に授業が終わる
14
僕が手をぶつけると「痛っ」って言う君と一緒に家庭を築きたいんだ
2
暖かい冬を喜ぶ裏側で海に没する国々がある
1
生活に困る人たちは同じ染み付いたタバコの臭いばかりす
5
白髪のウーバーイーツ札幌の寒空走るウイルスもあれば
3
ぱさぱさに乾いた部屋に帰るには潤いが足りないのです呑む
4
カプセルがウーメラの地に砂漠ならきっと未来の種が咲いてる
1
部屋中に佇むように浮く君は七日なのかも前に干したシャツやら
3
手を止めた机とペンを横に見て布団カバーの白さたしかめ
2
障害者 差別を受けて 辞職する うつを抱えて 働けない日々
1