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もう二度と 戻らぬ時と知りつつも 思う想い出 甘き切なさ
6
灼熱の道を歩けばスイスイと赤とんぼ来てエールをくれる
18
今どきの夏の現場の作業服老いも若きも扇風機付き
15
朝顔の咲き映え萎む毎日にあなたの笑顔を重ねつつ摘む
5
わが
猫
(
こ
)
たち 運動足りているかしら
姉弟
(
ふたり
)
だからね そこそこはしる
12
夕暮れの一瞬みたいな服を着て金星みたいなピアスをつけた
8
立ち止まり 重荷を下ろして 振り返り そこまで捨てた人生でもなき
16
絶食で待つ外来のテレビには 美味そな焼きそば 我慢の試練
15
待ち長き外来 廊下の長椅子に 皆のため息鉛の空気
13
我よりも若きの逝くを見送りて
残
(
ざん
)
永らふは不思善なるや
8
寿命とは
寿
(
ことほ
)
ぐ命と書きにしを我は最期に
言祝
(
ことほ
)
ぐかしらん
9
運命と諦めきれずに毒を吐く 命の残滓有明の月
8
厚ぼったい文月の風
主人
(
あるじ
)
逝き「本日休業」虚しく揺れる
11
憂鬱に濡れしまぶたにわたくしの香り移したハンケチ託し
4
鈴なりの朝顔数える朝の君 昨夜の涙の影も見せずに
5
朝顔の奥に潜りし花蜂は我が物顔の憎し君かな
3
アラートな日のが多くて特別な感じは消えて8月に
入
(
い
)
る / 「熱中症警戒
アラート
」発令
19
日
10
その話 そもそも聞いてないおそれ そもそもわかる気がないおそれ
13
帰り際結ぶ本音の端っこが今頃君を締め付けてたら
10
不注意のミスは毎度のことなれど今は暑さのせいにしておく
11
花咲いた 母から貰う ライン見て 元気の便り 素晴らしいもの
8
目覚めより鼓動音は高らかに出掛ける海の波は静かに
11
ここがなきゃ行くとこないの誰だって一つの地球一緒に愛そ
7
夏の朝 こころに映す蝉の聲 時の
彌終
(
いやはて
)
まで刻む波
14
思い出の中のあなたは眩しくて 夏なんていっそ来なきゃいいのに
6
蝉、蝗、ざざ虫、蜂の子、蟋蟀は食える しおから蜻蛉もきっと旨かろ
4
「じゃあまたね」 いつもと違う冷たい別れ 目の温かさで振り返れなくて
4
海を見に行きたいけれど叶わずに 歌集を買った「海のうた」と言ふ
9
草取りに蚊取り線香携えて 静かな煙 草間を進む
19
何もない朝だからこそ長袖と 長靴で行く畑の草取り
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