間違いを探しもせずに現象を呪ってみても詮のなき栓
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大型連休なんかなければいいのに シングルマザーは今日も仕事
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旅行とか行楽地のニュース見るにつけ 子供に詫びる介護職
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日祝も関係ないシフト 人手不足の介護職
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にんげんの外側にある知能らがにんげんをバカにつくりかえる
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押入れのカバンの中にパスポート 国は国でも夢のディズニー
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バサッバサ身を折りながら真鯉鳴く風を喰らえよあがいて踊れ
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ため息を禁じ得ないその可愛さは「映え」というには奥深すぎて
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一度だけふざけてキスをした夜に近くて遠い星が笑った
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どんな声どんな言葉で話すかを知ってる気がするダックスフント
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金色に光る犬の風下に立ち今日のすべてを覚えていたい
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おめでとう なんて口にはしたけれど 結ばれるのは僕が良かった
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「まじめな子」言われ続けて二十年 ふまじめなのは許されませんか
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友の名の由来が花の名であると気がついて初夏になる教室
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かみのみこ れんきゅうちゅうに じこにあい さいりんはない きゅうさいもない
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奈良に住む楽しみあれこれ たとえば 通勤途中に鹿に遭うとか
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独りでさ へこんで落ちてウザいよね 俺いらないか。 ごめん、サヨナラ
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子の学び 眺め入ること 教室で 窓には烏 インテリジェンス
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認知とか 婚外子とか もうダメだ 覚悟ない俺 資格ないじゃん
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俺似かな 血液型で地獄逝き 楽しみだけど ほんと辛いよ
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虎刈りの芽吹く街路樹覆うほど激しく繁れ夏の陽あびて
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指先がハート❤ を射抜く瞬間に歌に触れちゃうスマホの不便
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水、油、熱くなるほど弾け合い乳化するには黄身の仲介
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仰ぎ見るきみは鳴かない鳥のよう 歌声だけは泣いて聴こえる
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武器発達 むごたらしくない ころしかた 刀 弓 銃 爆弾 核、死は死
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訪れし 春の連休 人は行けれど 我は仕事が 立て込んでおり
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夢のなかなぜか地元で自転車に乗ってた父は他県住みです
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思い出の中に浮かんだみずうみを溺れるために探し出したい
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夕暮れにやんわりゆるく風が吹き取り込む前の鯉がよろこぶ
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ツバメ二羽ダンスパーティー開催中 タキシード着て乱舞している
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