自転車のブレーキきききと軋むのも春の下ではほんの囀り
7
常識が何かは知らん私は書く母わたしの名前を保護者の欄に
8
可愛い子 まるで弟のつもりが 隣にいると顔が熱いな
3
許されぬ仲と知りつつ落ちる沼予測つかない人の心は
15
百億の花粉を載せて春風は鼻腔の奥に受精を目指す
6
本当は笑って話終わらせるはずだったのに涙こぼれて
33
草花の舞台としてのうつわには咲かない花が落ち着いている
4
寂しくて つい出た言葉「逢いたいな」 だけどやっぱり 返ってこない
13
頬撫でる 冷たい春風 身を縮め 遠くの夜景 寂しく眺め
5
スマイルの見本みたいな三日月に勝手に励まされて帰る道
19
いちどだけきれいな世界を見たいからあなたのその目を貸してください
8
銀閣寺行きのバス混んでいて多言語飛び交う地球のように
10
花の香のちょっと憂鬱 こんな日はカーペンターズとS&Gエスアンドジー
8
たくさんの 言葉受け止め たくさんの 言葉伝えて 満たされる夜
13
前世か 未来に出会う ことあれど 今存分に 慈しみたき
6
思い出す土曜はいつも晴れていて なのに君の顔だけ おもい だせなく
5
左心室お借りしてます きみのなかワンルームだけ居場所をくれよ
13
凄腕のピンチヒッター天国へ 希望見い出す代打ホームラン
2
ケーキでもチョコレートでも埋まらない 心に空いたドーナッツの穴
11
04れいコンマよん秒早く塗り始め高鳴りの乗るカラオケテロップ
5
気がつけば失効していた免許証 知らないうちに死ぬのかな
3
大切に取っておいたのこのマフラー いつか死ぬならそろそろ使おう
3
ここ港 流れ着くのは死体ことばたち 46しじゅうろく字のためがアネクメーネ
6
死ぬまでにやりたいことの箇条書き 十年経ってもみっつもできず
8
夢想中 積もりに積もる ことばたち 可燃のゴミに出せるわけ無く。
11
今もなお二月のままのカレンダー 明日には僕も死体かな
3
ねえあなた。わたしが蜂に成ったなら ハニーポットはあなたで満たすわ
8
雪化粧 美人さんだね雪うさぎ 明日の昼には姿を消してる
6
遠くとも、インターネットのおかげです。心に積もることばたち
11
花散りて人も稀なるみ吉野の日暮れもの憂き鳥の一声
8