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山の手に 導かれては十五年 行く行く
導
(
しるべ
)
待て待て止まれ
3
雪山に 忍ぶ春陽の木漏れ日の ふきのとうの芽 もうじき春かな
4
橘の朝日差し込む窓際に 今宵も染めし橙の肌
4
闇雲に ヤエザクラへと 手を伸ばす 先へ先へと 分け入っては
5
お着替えをしてきたのかな チャトラ柄もかわいかったよ 今もおしゃれね
8
知らぬ間に名字の違うLINEあり 昔と違う幸せの君
9
古ぼけた靴が新しくなる時は、いつも誰かのさよならの後
7
華やいだバースデーケーキに憧れて 「命日おめでとう」一吹きの煙
4
指を折り推しの齢を数えては 蝋燭を灯す「生きていればね」
7
あたたかな宇宙のかけらは黒白の毛皮をまとい隣で眠る
12
未来など本当はないと分かってる それでも今は信じて進む
12
振り返りその瞬間に目があった ふたりの旅が再び始まる
11
夏のせいだラムネの炭酸が抜けたことそれからきみのことも
5
冷蔵庫 扉の裏の指定席 あなたの好きなスプリングバレー
10
晴天の
社
(
やしろ
)
の
隅
(
すみ
)
で絵馬を書く 貴方の健康ふたりの未来
13
「心配をしてたんだよ」と小4男子 だから辞めれぬ愛する
公文
(
しょくば
)
15
完璧人の綻
(
ほころ
)
び一つ見つけたり 安堵の気持ち俗世の吾に降りるなり
12
止まらないオルゴール サイレン メリーゴーラウンド 汗と血と涙
3
赤ちゃんをスーツに抱っこ紐 汗だくで連れ来るパパママに心でエール
14
午後八時最後の
患者
(
ひと
)
を見送って今年も長い夏が始まる
13
やさしい猫わたしのこころにいる茶虎 虹の向こうで花の雨降る
10
宝石のような小鳥のような恋、詠めばバズるを知って横目に
6
駅ホーム監視カメラのいずれにも 自分の顔は映し出されず
4
欠けた歯は三十年の噛み癖の成果で僕のおやつはするめ
8
この切らぬ髪は願掛け 切る時は 左の薬指が光る日
4
大きく夢を描いたら 欠けることなく叶えるさ
3
さざなみの 声無きかすれた産声で やさぐれた人を支えてる
4
もう何もいらないのだと気づかない 二人でいれたらそれでいいのに
8
半年間 この手の中で くすぶった 欲を自ら 手離した春
11
カップルのバスの距離感眩しくて日焼けの跡みたいなダメージ
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