もういやだ「変だ」「おかしい」「ありえない」ありえてるだろよく見ろ俺を
4
ちょっとくらい多いからって調子に乗るなよ マジョリティは「普通」なんかじゃねえぞ
2
あれ、なんか 投稿できなくなっちゃった 駆けめぐっては消えてしまった歌たちよ
3
真っ当な感性であれ 病むことも真っ当なればこそのあかしで
1
値上げする止めるも地獄吸うも地獄昔を懐かしむばかり
0
雨の日の天から降るもの君の頬伝うものどちらも同じもの
0
対になる時の快感を忘れがたい君の顔が一瞬歪む
0
が落ちて君と静寂で会話する 「そろそろ寝よう」から始まる秋
0
玉ねぎの虹のかたちの曲線を刻めば泪つみ人となり
2
畑よりじやが芋ふたつ鍋底へ時間といつしよにことこと泣きぬ
3
星くづも花くづもとほき果てにあり野菜くづ今宵スウプとなれり
4
曼珠沙華まだ咲かないで散らないでわたしがそっちへ行くまで待って
6
君の子を孕む夢見て目が覚めた あり得ない話しだと嘆いた
0
屋根が鳴る夏の雨夜の地獄の釜の錆は田舎の嫁の呪詛
0
月灼けの貯金をどんどん失って背骨の煮える夏あと少し
0
天裏の魔女が今年も失神し夏が徹夜して熱帯夜
2
世界のはじめに水があったというが世界のおわりも水が運んでくると思う
1
露店でまず熊汁喰おうと誘っても空気がぐにょらないのが友達
0
下の句が浮かばないので歌います 聴いてください『荒城の月』
7
黄金街きらめきゆらめき千鳥足 下り梯子はとうに蹴られた
1
月照らす中を歩く影二つこうしてやると一つだろ
0
体重計 重たい頭 乗せてみる 拭かずに乗せたな 今日はもう駄目
0
足の裏 「確かに何かを踏んだのだ」 知らない知らない 血も出ていないし
2
玄関の 戸を開けのびる 黒い影 ひとりぼっちだ ひとりぼっちだ
1
まんまるの空に浮かんだお団子を一口食べて月へ帰ろう
1
不自然な寒さに噛まれるつま先と ベランダで見たセミの亡骸
0
今日こそは人間やめていいですか 退職届も書いてきたので
3
愛され系イージーモード人生に 向ける羨望もしくは憎悪
1
十七の不甲斐なさをば胸に抱き到達不可の弾丸を噛む
2
いくたびの千歳にうつる望月は儚き人の四季施をまとう
2