くしゃみして 鼻すする君 春の頃 構わず換気し ごねる声、背に
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想い出は数に限りがありまして忘れていくね ごめん母さん
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月隠れ 忍ぶ気配に 振り向けば 黒猫睨む 僕の焼き鳥
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生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
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火葬場のけむりが空気に拡散しぼくらはすこしずつ死を纏う
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人のない夕日の路地の風だけがそっとめくれる乱歩のページ
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園丁が生真面目なのでタンポポも首をすくめて群れ咲いている
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20%パー引きのレタスの黒ずみのごとき生活 今日も明日も
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肉じゃがを作った私えらすぎる なので今日は飲酒OK
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息を呑む  褪せた世界の 王への道 手に汗握り 今日も霜踏む
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春霞 遥かに望む 山々の 萌ゆるもゆる命に 我が先を見ゆ
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散らかった部屋の真ん中に嵐の後の虚しさを抱えた私
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ひとりでも油淋鶏は美味しいし、ひとりにだって春はやさしい
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在ることは抗ふことにすこし似て落ち葉の未だなほ地に落ちず
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シロップに ひたして銀色のスプーンで潰す 鎖骨のくぼみに泳ぐ金魚
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「過ぎた過去」「思い出」「亡き友」「裂かれた恋」人間ひとを殺すは記憶の重み
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行けもしないトラベルプラン考える僕ら永遠旅人でいよう
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天幕のあたたかき夜を満たすのは蒼く遥けきテングリ𐱅𐰭𐰼𐰃の唄
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一息つけばとばかりに花粉のもたらしたくしゃみ空が青いよ、春だね
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白い花がポン!ポン!ごみ箱に流れ出す花粉革命真っ只中
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花粉症ERRORマジでERROR訴えERRORたいERROR花粉症ERRORマジでERROR訴えERRORたいERROR花粉症ERROR
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逝くときに一つ記憶を選べたら 君が生まれたあの日が見たい
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朝起きて 私の枕取られてる 寝顔に思う 幸せだな、と
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星のように生きるな 加速で火がついてついに燃え尽きる星のようには
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焼け焦げた手紙はかすかな風に舞い時間を渡る翼のようだ
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でもそれはドレッシングのかけられていないサラダのようなユーモアで
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全能の歌手が歌えば真実も額縁の中におさまるようだ
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水たまりに蜥蜴はやおら顔をつけ驚いたように茂みへ逃げる
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ありとあるベンチは冷え切り人影を前のページに忘れたようだ
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ジャムのついたスプーンのよう あふれでて海なす唾液の底に沈めて
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