変わり身の 変わり映え無き 変わらずを 変えてしまうは 変わらず君か
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かなかなと 暮れ行く夏と 消える影 腕に涼風 寂しさが鳴く
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微睡みに 浮かぶ想いは 泡沫と 醒めし今では 夢か現か
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あの頃の 友の行方も 知らぬまま 独りぼっちで 待ち望む夏
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肉体は主締め出す家に似たり 推せど敲けどおしたる戸口
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すき透る 空よりもなお 君の顔 こころ踊らす 初夏のみちゆき
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言いたくて 言えなくて泣く 梅雨の空 雨はきっと 誰かの涙
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ゆかりなきアフリカの角にわが骨を埋めて呉れやと願いを壜に
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君が好き 言えたらきっと楽になる 言えない私 今日もくるしい
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この世への 我が眼の井戸は涸れ果てつ 電子の「曇りのち雨」続く
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こんなにも酸素が薄い部屋だから始めのキスは省いてもよい
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露西亜語で置いてかないではなんと言うマトリョーシカさむいくるしい
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はらからとわらび分け合う楼の上 誰も見上げぬ新宿の街
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青々と 夏の空見て 君想う あまりに青くて 泣きそうになる
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さあ今から午後の仕事だトイレ行こテレビじゃ芸人笑ってるな~
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西の空 過ぎ去りし人のゆがむ顔 神は見ずともただ手を合わす
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月曜に夫を亡くした奥さんにカメラを向けてもいいかと聞いた
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乾燥機 晴れると君の ありがたみ 深く感じる 初夏のベランダ
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たくさんの 洗濯物に 囲まれて 梅雨の晴れ間に ひとりため息
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紅い爪 あなたのために 装うの あなたの血潮 思い浮かべて
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死にたくて 死にきれなくて 生きている せめてあなたが とどめを刺して
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広い背に もたれかかって 深呼吸 このぬくもりが 手放せないよ
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あなたのね 温もり感じる 夢をみた 目覚めてもまだ 胸が痛いよ
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永遠とわなんて 信じてないの ほんとはね でも今だけは 夢がほしいの
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愛なんて 囁くことも 出来なくて せめてあなたの骨を抱かせて
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大時化の通知とどろに寄するリプ割れて砕けてさけて散るかも
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嗚呼謳う 愛し恋しと云う心 それを抑える それこそ愚か
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過ぎ行くは 早くも遅し 日々綴る 明日はいったい 何時来るのだろう
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牡蠣はおし黙り牡蠣殻の隙間から言葉の潮の満ちるのを待つ
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コツコツと吏の足音が硬く鳴る 「朝」で停まりし汗ばむ鉛筆
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