偽りのコミュ力じゃなく根っからのコミュ力お化けになりたかったよ
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とっぷりした闇 包む風呂 冷めゆく湯船と わたしの涙
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やっと来たずっと待ってたちょっと遅いよ昔の家で寛ごう 夢で
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脳内の写真館に入り浸り大事なあの子にそっと手を置く
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微妙過ぎる五十路入って懐かれる年下君は息子と思う
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人もなき夜半よわにも散るらむ桜花月と星とを証人として
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一応ね芸術家って名乗るには国家資格も更新も無い
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母さんの自筆の遺影見た人は驚くけれど頼んでくれない
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母さんの死後はお盆に来てくれる?合同供養墓入るんだけど
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卑怯だよ慰謝料なんて欲しくない。先に別れを言わせるなんて
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もうじきに蛍の季節 君と会う半袖の服を選びはじめる
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花は散る いのちのいぶきそのものをあらわすような緑にかわる
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散る花を吹く風よりも穏やかにその樹のもとで君は微笑む
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ことばとはとわにおわらぬといのこととちゅうでとまるなとうかをともせ
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ここにいるここにいるからこころからことばをこえたこえがきこえる
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はこばれることばとはとははこのなかはるのはかからはとばのほうへ
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山からの雪解け水がせせらぎを響かせ春のうごき知らせる
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仏間入る父の足取りおぼつかず写真の母は父に微笑む
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ほんとかよ 輪廻転生 とかいって ここでしんだら もう終わりだろ
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ばあちゃんの枯れ木のような手を握る瞳は銀河の改札口で
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北窓を開けて空見て土を見て僕を見ているふきのとういて
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週末に 向けて用足し こなし終え ホッと一息 金曜の夜
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ドッキリの看板を持つスタッフをいつまでも待つだけの人生
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決められし時間は十五分痩せ細る兄へとかける言葉を探す
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花筏 乗り込むことが できたなら 月の袂で 待ち合わせよう
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薄明にいななく馬と吾は往け 世界が「点」に化ける刹那へ
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イグニッション 右の手首で鞭打てば 猛る蹄で踏み鳴らす 馬
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父母をば見送る誓約ゲッシュ 果てたれば 絡めし鎖 解き駆け出さん
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ローギアへ落とすつま先忘れじの鉄馬バイク揶揄からかう「まだ来ねぇのか?」
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子供らの 小さき手に触れ 命とは かくも尊き 守るべきもの
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