指切りと いっせーのでで 死ねたなら この世に何も畏怖いふいだかず
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空渡るピンクと蒼のグラデーション 知らない彼も同じ目をしていた
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伐る柿に黄梅咲きぬ くろの上は 運河は底へ、貫きてある
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いつまでも〆で出されぬコーン茶を話繋いで待った午後九時
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電線に雀が三羽とまってるのが見える朝、冬が終わるね
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ゆすったらこぼれる気がして慎重に歩く期末考査の朝は
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「君に涙は似合わない」とか言ってみたいけど生憎君は綺麗で
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三歩先を行く君の足跡は僕のものより少し大きい
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姑を「いい義母ははなのよ」というたびに私の寿命一年のびろ
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切りすぎた前髪つまみ気にしないふりができるわ母親だもの
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さよならを繰り返すのは彼の口から出るさよならを聞かないため
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教室の壁にはクラス写真あり須田の目ん玉画鋲が刺さる
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母さんが毎度入れたる卵焼き「甘すぎだよ」は「美味すぎだ」だよ
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too late 明日にはもう死んでいる魚の群れに苔のむすまで
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君が春を感じたときにただ僕は空を漂う歌でありたい
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言葉一つでコロッと落ちる女でも 言葉一つで返品しないで
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君想い抱くブランケットより君は 大きくて生暖かくて重いね
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街は寝て画面の向こうに吸われる 小さな部屋の冷たい布団で
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あなたの唇になりたい やわらかな言葉わたしに乗せてちょうだい
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大きさも形もどうでもいいですよあなたについてるそれが付加価値
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経験は確かにいろいろしましたが同じ私の経験なので
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だって猫が鳴いて起こすから 菓子を食べても 言い訳にならない
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いつまでも来ない通知を待つことは手首を切り裂くことに似ている
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ささくれを剥いで中指血止まらず しぶとい生命力に悲嘆
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グリッター 近視のあなたでもわかる私を見つけるための煌めき
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行きたくない 親に迷惑 かけてまで それなら私が 我慢しようか
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どこまでも行けそうな本捨てていくあなたがくれた致死量の愛
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この地球ほしの行く末も知らずひたすらに 空を仰いで眠る愛猫
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ショーケースの届かなかったキラキラ 今私の指で燦然と輝く
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躁鬱で雪崩る彼を横目に 先陣切って私が死にたい
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