東へと向かう高速 日は昇りいよいよ白くなりゆく視界
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夜雨やうの音 過去の己の三十一みそひとは今の己の無二の理解者
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見返した、写真嫌いな表情に思う、記憶は全て朧げ
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失くしてたパズルの最後の1ピースみたいな人とだまって歩く
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まだ僕はずっと聴いてるあの曲の“When I was”から抜け出せずいる
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寂しいも痛いも嫌だも眠たいも 幼子はみな「お母さん」と泣く
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追い風よ吹かないでくれ 今だけはまだおもいでと共にありたい
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踊る君 背中の羽は本物で草臥れさえも芸術だった
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他人なら殺さないのに家族だから殺した……そんなのがまた一つ
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生きていくためには足りぬ憎しみをぐつぐつ煮込み用意する鍋
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きつねでもないのにごめんが言えなくて そっと置いとく君の好物
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間に合っていない冬毛で膝の上 百年生きてあやかしになれ
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君想いすぎて焦がしたパンケーキそれでも無縁ため息弱気
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お砂糖と素敵ななにかとスパイスで できてる少女の時は短い
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男らがガシガシ洗う歯や顔や頭にあった少年の皮膚
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秋のはぼくらふわふわつつみこむ行きう人はにこにこしてる
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電車内ティンカーベルの臭いワキもうすぐ来たる忌々しき日
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欲しかった愛の代わりになるかもと プリンとチョコをつめこんでみる
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君いないぬくもりロスが進む床フードロスほど問題視なし
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いいんだな ここでそいつを使ったら鳥獣保護法が黙ってないぜ
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からあげと冷凍うどんとのりたまときゅうりとボーロと眠る我が子と
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私以外のだれかが助かっているらしい いのちの電話のガイド音声
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人の金で焼肉自分のポイントカード 
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宿題をちゃんとやる子の親ですと自慢したくてドツボにはまる
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人間の言葉が担う裏機能 通じりゃ仲間 でなけりゃあバツ
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「万葉集」読んだ感想 恋愛は暖房器具の一種なりけり
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宿題を俺が代わりにやったことちゃんと覚えているかお前は
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過去問のすみっこ悪魔が笑いつつ「どんなもんよ」と僕をみている
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雪虫は僕の目の中入るらしチャリ通あるある北国あるある
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「病欠」と黒板の隅書かれてるクラスメイトの顔忘れつつ
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