濃厚に接触したる蚊を叩き 噴水の飛沫浴びて帰れり
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唐突に響いた花火 開けた窓 意味をなくしたエアコンの風
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BUMP OF CHICKENと伊坂幸太郎 茄子入りカレーが好きなところ。
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人間も消費期限があるらしい暑すぎる夜に朽ちるアボカド
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目の前を横切る蝶を大袈裟にける触れても痛くはないのに
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規定よりシナモン多めのアップルパイ 溶けるは僕かアイスが先か
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貴方はさ、“みんな”のことが好きだけど “誰か”だけを愛したりするの?
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扇風機の「今日」のボタンを押しました夕方にまだ眠いのでした
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幸せでいてくれと願うことでさえ 君には枷でしかないのかもね
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ほろぼしたどうぶつをかわいそうがるなぐったあとになでるみたいに
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気休めのハンディファンがせいいっぱい駆けて悪態を振り払う
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‪棒にふれる人生があるということ あなたに賭けてみたくなること‬
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ひまわりは咲かない街でお隣のベランダの朝顔だけが夏
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サボテンが枯れたこんな朝も君は優しく無責任に正しい
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僕の中、賛辞に飢えたオオカミが「いい子」を被ったわたしを殺す
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一ページ開く歌集に思い馳せルヴァンクラッカーが消える朝
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せいしゅん青春」に 聖瞬 盛旬 勢瞬と 加えてみたい 予測変換
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本当に優しいならば運命に気づかせぬままはぐらかしてよ
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青信号みんなでわたれば何人かまだ真ん中に残されたまま
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栄養学的に間違いだが美味い ソーダに溶かした粉のスポドリ
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箸先でまろぶはサラダのプチトマト朝日の熱を編み込んで食む
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ビル群の 明かりが眩しい 一年中 輝いてたのは 火星のおやすみ
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別れぎわ嫌になるからつながないだけどねぇほら手袋わすれた
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いつかもし わたしが光を失くしたら 貴方の声で 導かれたい
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究極の選択ばかり迫られる 三段アイス食べよう、せめて
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わるものの悲しい過去は聞かなくていいから首を刎ねてきなさい
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手を洗い令和二年の葉月尽く 木のスプーンにて氷菓も締める
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さわったら すいかってやつ いきてたの あたしねこだし すいかこわいし
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乱雑なモノで溢れたこの部屋で私も一緒に無機物になりたい
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最終便 明日と昨日の境目を西へと駆ける、永遠を見に
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