からださえ思い通りに行かぬのは神様からの借りものだから
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星型のきいろい果肉を齧るとき世界が終わりを告げる音がした
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ウエストの細さに命を懸けてる私に子どもは作れないよ
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あの人はずっと好きなままいたいから 冷めるルートは自分で潰す
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あ、今の言葉選びも嫌だった 好きだったのに冷めてく過程
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年末に会ったきり今日あけましておめでとういう二月一日
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住宅街 夕方6時 通り過ぎ あちらこちらで ごはんが香る
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電殻の武器を爪弾く銀色のかひなのなかに貴方は住まう
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はげ山の怪人基地を吹つ飛ばし爆竹戦隊ひとり負傷す
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炭酸とポップコーンという名の武器を持ちホラーを観る私は無敵
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どこからが部品パーツが編んでどこからが細胞セルが編むのかわからなくなり
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「おやすみ」と言って通話を切るけれど 少しだけ見る海外ドラマ
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感情を必要としない職場でも、気持ちが無くなるわけじゃないよな
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悪意とは多分どこにもあるもので多分パンツもはいているのだ
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無いものを有るとは言えず有るものを無いとも言えず考えている
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歌いたい歌を歌えばいいのだろう上手い下手などどうだっていい
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一歩だけさがってみれば一歩だけさがった景色が見えるもんだな
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新宿の駅で迷子になっているそんな感じの熟年である
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病院の待合室に旅の本 いつか行きたし古都の裏路地
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わたしには見えない世界の決まりごと 良ければ両目を貸してください
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クロームと真鍮がよむ01を57577にする作業
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不自然なこだわりなんて脱ぎ捨てて、いいからもっと美味しくなれよ
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二月でも八時半には登校す窓際ニ列目君がいるから
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君がため惜しからざりし命さへ なんて言わない命は大事
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かりがねになにかが垂れて广やねになりやまいを得るまですこしずつ垂れ
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生前に買った喧嘩のレシートがキュルキュル吐かれ続ける地獄
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起きてても体動かぬその時は寝てるのだなと気づいた今夜
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急降下すぃんぐばいの上昇で宙へと駆ける雪の鳥たち
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こんなときほうれん草の缶詰が手元にあれば勝てると思う
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ディズニーに行きたいそうだね行きたいねと言っている時が一番楽しい
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