帰宅して いの一番の 子のクイズ 初の昇級 したかしないか
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初恋の 笑顔に逢えた 夢のなか 二十回目の あの夏が来る
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「心にもないこと言うの得意なの」実は俺もそうだったんだよ
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どこへ出ても、恥ずかしいのでどこへでも走ってゆける、訪ねてゆける
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「生まれたら負け」というのが市街地の鼬のようにひょっと出てきた
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ラベンダー風をかわして地平線どこまでも延び紫を抱く
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遠くから途切れとぎれに聞こえくる公約の声自習教室
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わたあめの気持ちになりぬ夏の夜高等遊民のふりをして
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感熱紙ゆえすりきれながらささやかな価値をぼやかしながら堆積
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この空の延長線上 梅雨と夏 争う音かからのかみなり
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もう誰もファンタをコーヒーで割らず、あらしめられなくなった濁色
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梅雨明けの間近の空の片隅に銀に輝く雲を見つけた
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もう一度言ってください探偵さん、まさか凶器にえび満月を
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この紙はかつてはコーラを無料 ただ にする力を持ってたクシャクシャの紙
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ああ暑い こんな猛暑に焼かれるなら そのまま溶けてチーズになりたい
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玄関の熱いドアノブ手をかけて ぬるま湯の中かき分けて行く
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おはようとおやすみなさいの食事時 金魚鉢にて踊る愛魚よ
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愛なのか 親切なのか 善なのか 恋と認めず 逃げ回るのみ
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咳払い 呼吸を止める 痰でさえ 命を止める 死因となりぬ
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いつの間に 秘密が一つ 二つなり 増殖すれば 身動きできず
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スイカ食べ メロンを食べる その日まで 夏よ続けよ 雨と光を
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涼し気に 夏の夕べは 夕涼み 涼しい風が 風呂上りかな
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世知辛い 世なれど我に 肝胆相照らす義兄あに二人いる幸せ
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戦争の 非情伝える 言葉とは 戦争知らぬ 平和な親子
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米野球べいやきゅう 溜飲下げる 日本人 大谷くんが 凄すぎるだけ
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また上がる 売価に転嫁 せざるをえず が 所得の上がる 見込みは薄し
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明け六つ 早起きの子が 襖開け 何して遊ぶ 日曜の朝
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春のよに 曖昧なまま 始まるの だけど終わりは はっきりな恋
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いつもそう 君の思想や思い出を壊せる脳は愛を綴った
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「雨のあと虹が懸かるよ」熱唱に「気象現象だけ」と呆れる
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