夜空へと溶ける花火は網膜に書き留められた短詩のように
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さくらんぼ今年も可憐な実のつけて カラスも狙う戦場と化す
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今は亡き友のアドレス名簿から消去できなく時々眺める
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高齢期の孤独感情に流されず知的好奇心を保ちて生きむ
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片付ける誰かのことが気の毒で21グラムで生きてたかった
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『真っ黒なテレビの画面と向き合うの、小さい頃からすごく怖いの』
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足の裏 ねこの肉球にくきゅうと合わせ寝る ぷにぷに感触じんわり幸せ
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夢のなか 今夜も短歌うたのカケラ抱き さぁて朝までおぼえているかな
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ちゃん付けで呼ぶことの意味 ちゃん付けで呼ばないことの意味 人それぞれ
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傷口を 君と舐め合い 恍惚の 時のあとには 憂鬱の日々
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誰かの口笛が聞こえる夜 あと少し 生きてみようかなと思う
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ストーブを幾度も付ける低温日おとなう雀は餌を求むらし
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君もそう私も同じ父親の欠けた家族を知る者同志
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不用品回収用のトラックでがらくたたちが夜道を飛ばす
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ぷちぷちと爪を弾いてくやしさをゆるりと流す満月の夜
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下書きのラインは今日も送れずに 吾からライン送るのは禁
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強がって別にいいさと思っても やはり貴方のおやすみ欲しい
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人生の全てを賭けて敗残する賽の悪魔は不適に笑う
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求めない心に強く叩き込む 貴方は貴方の生活がある
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気をつけて毎日キミとハイタッチ 大切な人たくさんいるよ
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生きること修行なんだと言い聞かす 歳重ねるごと心に響く
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ライブ本番 ホールの響きを楽しんで みんなに届けと 一音懸命いっとけんめい
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まだ雨が降り止むまでは帰れない模様がひとつ増えている朝
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お風呂場にiPhone持ち込み短歌書く 風呂歌人として名を残したい
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まだ五月 汗拭きながら坂登る 早降り注ぐ 蝉時雨の中
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A子ども B犬か猫 その順でいけばE程度の保護対象
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忘れない 本屋で「グイン」に出会った日 文学少女になったあの日も
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明日といふ日を忘れない 天国の栗本先生 書かれてますか>グイン・サーガの続き
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長生きをしてと言うよりこれからを欲深く生きてほしいと願う
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今生の修行しゅぎょうからの卒業と その言葉知り母の死乗り越え
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