氷舐め舐めた舌にて頬を舐めファンデーションは今日も美味なり
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めぐりあいひらかれる目のまどかさのしみじみ思う男なるよさ
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街中で こち亀ゴルフ 無限過ぎ カップ分からず パー無関係
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バイオリン 高額過ぎる 古来品 響き大きい ストラディヴァリス
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ひげひげ そのまたひげの 三連続 どのようにして 使い分ければ?
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枯草の 結ぶ縁の 実らずは 星ふる夜に 空を見上げる
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牡蠣はなぜ剥き身の方が安いのとふと考えるFacebookみて
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人生のゲームマスターにリセットのやり直しならきっとコンティニュー
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君の前髪をとめてたヘアピンで今日片栗粉の袋をとめる
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紅葉踏みしめ泣く死カノ 別れを告げた秋の夜長
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君の目は 実質光の海なので これは入水と言えなくもない
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「スキップができません」を履歴書に書ける時代で全部うまくいく
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君は見るたびに姿が変わる、「何かになりたい」だけが変わらない
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夏ならば暑い暑いとなげくよな設定温度でストーブ働く
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クリスマスツリーがカップル襲うなら寂しくはない僕はひとりでも
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「たたんでくれてありがとう」の一文のために豆乳を選んでる
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野ウサギを 追っかけ穴に落っこちて 気づいた、あたしアリスじゃないわ。
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真心を込めて愛する何もかも三十一字で守る試み
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こちら月 あなたの部屋の窓枠の右上ちょっとお邪魔させてね
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目覚めなきゃ 目覚めていなきゃ 駄目なのに 夢の中では 君に会えない
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骨折れて 心も折れて 時伸びる 世の忙しなさ 嘲笑う我
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押されれば倒れますよと匂わされ押しはしません押されるまでは
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君は積み重ねたもので出来ており だから迷わず そこから飛べる
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居酒屋で受験勉強した夜は思い出せない深い記憶に
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指先でキーホルダーはくるくると回る 第一宇宙速度で
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アクリルの板越しに涙ぐむ君は誰と話しているのか板か
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残業の業は時計を見て残業の時間をたしかめることです
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「黒井さん。貴方の死因は ただ一つ」 「〝赤〞じゃなかった、ただそれだけです」
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この胸に楔を打てば砕け散る ガラスが割れた夜の数だけ
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世界から 裏切られた、と言うけれど 背を向けてたのは 君のほうでは?
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