へばまた悲しみ増さる別れかな涙をそそく春の盃
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忘れめや慣れし雲居の朧夜に星を列ねし花の宴を
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神ならば今日この時の失敗が神話になるしオペラにされる
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春霞 運転席に君はいない ウォッシャー液も空のまんまだ
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「強くなりたい人はお断り」なんだダイエット用ボクシングジムか
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親子連れあんた病院好きだよね子供が笑うまずい読まれた
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たおやかを纏うがごとく乙女たち つかめその手に明るき未来
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猫様のための引き戸の開け閉めを言われなくともやっちまってる
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預けてた車戻ればすりすりとペットみたいに車体擦り寄せ
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バラタナゴ 一足早い 桜色 春の陽射しに 光るプリズム
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幼き日祖母と食べたるパンケーキあの日の味を今も忘れず
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目玉焼き 焼かれた黄身を 眺めては 悔しく思う 我が身の歪さ
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人間は続かぬことを許された 一代の舞台 徒花の生
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まどろみて 夢に見ゆるは 天使に似たる あの子の横顔
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辻に立ち庚申塔を拝みては心惑いし我が身を憂う
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人類が十人生き残ったなら、(         ここにあなたの人間観が
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僕たちは何が起きてるかを知らず何も知ろうとせずに生きてる
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「文明」は少し惜しいが継ぐ者がヒトでなくてもいいよな、などと
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ダイエーであの日大きなたまごからかえったくちぱっちが伊豆にいる
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花たちはちゃんと季節をわかってる 僕らにもきっと来るはずだよ、春
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虹になる3月は惜しむ涙が 4月は自分と闘う涙が
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シトロンがソーダとはじけ香り立つ君が飲んでるペリエウォーター
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大河の最初の一滴を探す様に 愛の始まり辿ってみたい
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二人から一人へ、そして〇人へ わが三代の人口推移
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風呂敷はきれいに畳めないもので、ましてや人の住む街ならば
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悪気なく放った言葉の切れ味ダメージをどれだけ君は知っているのか
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君だけがわたしを信じてくれたから ここまでこれたって、忘れてた
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冷や酒は後からきいてくるらしいピーターパンはもうすぐ卒業
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僕が欲しいもの以外全てくれたのに 僕が欲しいものだけくれない
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ひと吹きで この香を選ぶため悩む 気難しげな君が見えそう
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