目玉焼き四角くしたい朝もあるいっそちりぢり炒り卵もよし
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三十一の歌病かなこのごろは まどろむ頭が七音さがす
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東から 星の一つが部屋に入り 瞬く間に我が血吸われる
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バラバラな顔 深鍋に放り込みペンキをまぶし焜炉コンロを点ける
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大人には幾重にも枝わかれした欲望の行く迂回路がある
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あの夏に誰捕まえたカミキリムシ ギチギチ言った声が怖くて
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油虫おはよう!日に焼けたその横顔に笑顔 海には誰と行ったの
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厭世肌を焼くコンクリートの照り返し 玉の汗落つ夜の亡骸
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汗涙垢や蝉コの怨嗟節 じっちゃも若衆わかしゅも染みる畳目
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地に伏した柔らかい穴や油蝉 生意気に鳴くはての野山
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土に伏しじっとり濡るる油蝉 見下ろす顔の笑み気付かぬる
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白樺の林雪降るけものみち プロコル・ハルムの曲が恋しい
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鏡見て 喜怒哀楽を作りつつ 鼻の頭の面皰にきびを触る
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紅い月のふちから採れる薬液でおまえを剥がし押し花にする。
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顔を伏せ地下街の隅で星を乞う 帰天の衣は前世に忘れた
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今夜、曲がり角から伸びた夢の手が私を異界へさらえばいいのに
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灰被り姫にひざまづく王子が呪われている話ばかり書いてる
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※空の青を深く撮るには太陽の反対側にレンズを向けます
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"How are you?" "I'm fine." "I'm fine, too." Everyone knows today the sun shines.
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電子音 命短き 街灯に 希望を抱く 羽化した子供よ
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夏蝉が今日もいのちの歌うたう 己の果てを知らないままで
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月と歩む卑小な人を飛び越して空舞う龍よ僕が見えるならどうかその背に
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ヒュルルルと気の抜けた様なターボの音車の中はてんやわんやで
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ぼくあるくびょうとうのろうかはやくいねやとねがいつつはなさきにながれるけいかんえいよう
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パスタ作る家庭的な君だから将来きっといい主夫になる
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天秤を揺らすいくつもの真実のすべてに神経張り巡らせて
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夕暮れにからだ半分置いてきてもう半分は夜にふくらむ
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泣きごとをどこにしまっているものか大人がひとり傘をさしてる
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絡まったコード鞄につめこんで隣の人はずっと寝ている
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昨日まで空飛んでいた人なのに今日は訳知り顔で立ってる
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