誰もいない砂場の砂を掻き回し、やっと見つけた誰かのミイラ
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朝は朝 生を選びぬ 夜は夜 罪の告白  ベッドの祭司
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レイヴする老婆の股から垂れ落ちた子宮を被って窒息したい
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雪解けが観測されてペンギンのお腹にメモをする月明かり
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雨ばかり落ちる窓辺で耳を澄ます あめのおとだけおちるせかいで
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「無駄でないことなどない」という一面の真理 一面の白い空
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片耳にマスクをかけて池の面をながれる風に呼応している
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「生きてる意味って何かな?」 「わかったら余計つまらないよ」 「そっか。」
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タンブラーの 天然水 飲み干した 降りつる落ち葉 今際の猫影
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とおくへ逝って もう来ないで 私を惑わさないで欲しいの 貴方、愛してる
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傷つけることなどけして ないように 間合いを取った、刀は置けない
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「さみしい」 と 思うことなど 滑稽だ (はなからあれは、わたしのじゃない)
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恋知りて 心惑う 年頃が 見つめる先の 姫百合の花
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たれもかれも討ち死にしたりはつなつの六時間目の古典文法
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四時半の 空に染み入る 暁烏あけがらすの 声聞くときに 朝だと知った
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ぼくが尽きて しまうことが あったとて こうかいはない あいあればこそ
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君綴る 歌のすべてが 愛おしい きれいな時を 生きているから
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無意味だと言葉にすればそれすらも無意味だという意味をもつので
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最高に愉快な過ち、電子書籍の積ん読の山を今日も
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月の降る古るびた街の校庭できみが託したタイムカプセル
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Googleはそのうち虹の商標も取るぜ地表じゃ狭くってさ
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幾億の星の中からひとかけを見つけたような微笑みだった
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UTAKATAは 死なない 唯一に 魂込める一歌入魂の 人ある限り
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いまはあまり 出番のない 体育館の 色褪せた緞帳どんちょう 歴史を語る
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歌の野に 日頃五月雨る 葛の木に 隠さる花を 見まく嬉しも
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失敗を しないようにと 願うより 成功願え 同じことなら
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経験は 本では読めぬ 知識なり 脳裏に刻み 人柄に出る
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甘き事 苦き事さえ 人生の 味を深めて 豊かにさせる
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命とは 己の姿 映し出し 心を試す 溶鉱炉の火
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集団も 大きくなれば 保守的に 利己的になる 仕方ないこと
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