青いワンピース
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面影を無くして爪噛む癖だけを残したわたしを許してほしい
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見回して周りに誰もいないのが咳止めシロップのように甘い
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絶対にここまで来ないと知っている人ならばまあ嫌いではない
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流れ星 無数に作る 願い込め 雲の上から 地上の人へ
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今年こそお手入れよろしと思い込み指紋認証きみは正直
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泥水を飲み慣れている顔をした君にどっぷりアイスカフェオレ
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嬉しいというべきだったのかしらクソガキに許容範囲などと言われて
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近ごろのスチックゼノール臭わない怪我が無かった事にはならぬが
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時代だね。母さんの知るしみけんは清水健太郎って元歌手
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明け六つや東の日に雲二二六白雪を踏む靴の足音
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雪残るダイソーへの道。自転車で挑戦者には怪我はつきもの
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十八歳自罰のように髪を切り 孔雀だったらとうに死んでる
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どれひとつわざなんてことはない。何割った?って、家族じゃないよね
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割れ散った玻璃の杯片付けるゴメンもないのはあんまりでしょう?
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地の底に引きこもるより波に乗り旅してみたいわ骨になったら
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一人ひとりよりみんなといるのがさびしいそれでもこころもとめている
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もう少し暖かかったら呑みに行くムシャクシャの夜寒いから寝る
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愛してます好きですお慕いしておりますシンプルなのが一番効くわ
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コロナ禍がいつ終わるのか願いつつ病床の母思いて詠う
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春毎にしたためたくなる手紙には拝啓かしこ蒼いインクで
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未練は無い、そう言ったのはいいものの遺書のはじめはあなたの名から
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無関心からの絶対値をはかれ(※ マイナスもすべて恋だとみなす)
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ほんとうにそんなナイフでいいのかい ベットしたのはお前自身だ
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かく歌に意味をもとめるべきじゃない 『わたしはここにいる』それだけだ
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頼るものほんとはほしいお寺さま前通るごとなもあみだぶつ
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どうやって正気を保てばいいのだろう (あるいはもしや、ずっとわたしは)
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レチノールごときじゃ癒せないだろう あの日の渇き、無への渇望
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天国へ行ったら一旦帰るから頭の輪っかを笑って頂戴
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春の夜の風や夢路に通ふらむ覚めても同じ梅ケ香ぞする
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