終わるとき音がすれば分かるのにジュッと指で消す蝋燭の燈
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丁寧に想いを積み上げたとしても 貴方は僕を抱き締めないし
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絶対に嫌よあなたの過去飾る花になるのはだからさよなら
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気まぐれとわかっていても嬉しくて 涙に濡れた頬噛む痛み
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ほのかなる風のかほりに包まれて 梅ふうわりと花びらほどく
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明日には魔法使いになっていたいあなたの家に隕石降らすの
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君が言うひとりじゃトイレに行けないくせにトパーズみたいな傲慢で言う
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パターンには収まるようで収まらない収まりつつも収まりつかない
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止まるから、結局迷って考えて、色即是空を読み間違えて
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ジャンパーのフードをまぶかにかぶりつつ時雨の中を礼拝に行く
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抱きしめる快感を知り遠のいて朦朧とする意識を引きずり
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きみのこと思い出しても足りないな、あの味教えてくれたのはきみ
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痛いのも血が出てるのも僕だから平気かどうかを君が決めるな
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いとおしき歌は彼方に響けども 届けたき君が胸に届かじ
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クラムボン未だに何か掴めないそれでも星は変わらず綺麗
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わたくしのしたいあなたに捧げるわ血として骨としてどうぞ生かして
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新聞のうえで爪切り片隅のしらない誰かの詩にそえる月
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最初からかわいかったと言われたいかわいくなったと言われるよりも
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ママちらい四歳レディーの舌足らず『好き』ははっきり言えるくせにね
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頬骨の下にいるやつ首の横あたっているのに逃げるのに長け
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昼歩きしたくなる日もあるものね夜歩き好きの私だけれど
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かじかんだ指をあなたのポケットに好きだからこそ恋に飛び込め
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かざぐるま月9の風に当てられて ゆっくり回りだす午後10時
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ブルースが加速しそうな音ばかり右も左も響き渡って
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恥ずかしい記憶が突如蘇り次から次に 押し潰す気か
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冤罪を訴えてるのに「正直に喋って早く出てきて」と妻
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苦労してチカン冤罪晴れたのに妻と娘はまだ信じない
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傘ならば「かさない」だけで済んだのに蓑乞うゆえの凝った断り
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わたしには笑える罪と笑えない罪があるけど、どっちから聞く?
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またも季節がめぐり来て家のあちこちにクモの子がいる
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