幸福や 希望とかの 実在を 嘯くような もりの木漏日
1
この世には混ざり合わないものがある イラガの繭の模様に憂う
2
出勤電車 LGBTは 認めよう でも爆音は 認められへんなぁ
0
白と黒 対立が生むものもある 繭玉を裂き 目覚めよイラガ
2
こころなきやまの風かな吹くからに薔薇の花々雪と散りぬる
0
透過する視線の後ろで笑うきみ毛細血管凸レンズ
0
なんでやの思うことは多々あるが雨後の晴天に投げて忘れよっ
0
片道の切符を胸に強く抱きこのを歩く迷いながらも
1
自分だけ何も知らずに生きているそんな毎日だった気がする
4
五月雨とぺトリコールと低気圧 独り呟く「夏が近いな。」
8
天と地をそっとつないだかすがいは夜の駅舎を浸す雨漏り
10
英雄が紡いだ言葉を口癖にしても心に響いてこない
0
スパゲッティゆでじるしおぎて 塩辛しおからいねとわらってべる
0
エリックと名付なづけたきみ夜光虫やこうちゅう あおかがや世界せかいえる
1
水平線すいへいせん はるこうの稲光いなびかり 展望台てんぼうだいにあなたと二人ふたり
1
煌々こうこう黄色きいろるは月灯つきあかり 波打なみうぎわ縁取ふちどほたる
2
ぎわきみとも一度会いちどあえたならおもめぐらせほほべにさす
0
まだすこつなぐにはずかしいれるはきみとわたしの小指こゆび
0
年明けのムードも最早もはや薄れゆき そろそろエンジンかけよと急かす
0
泣くことが女々しい?ならば俺が泣く えんえんえーん 恐れ入ったか
6
寝ていても変わらず動く外の街一緒に夢を見ればいいのに
0
言の刃全部私の方を向くから私の心は磁石なんだ
0
耳鳴りは加齢ですから治らぬと淋しいなあと母は言った
1
雨降りの五月の夜は冷え冷えとそこはかとなく虫が泣いてる
1
うつ伏せになってスマホをいじっては休みを満喫している今日
2
ぞうぞうと騒ぐ緑は神楽鈴てるてる坊主は山を眼差し
1
なんですか? 仕方ないなあ 光あれ 興味ないだろ? そんなもんだろ?
1
人が背を丸めて咽ぶさまに似て森の波打つ雨の乱数
1
指だけがいつもセピアを奏でるのピアノは斧でずたずたにした
1
オニユリのコサージュをして街へ出る誰も心臓撃ち抜かないで
0