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LEDの光は少し強すぎて閉じた瞼の奥行き深し
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台風の雨風叩く窓の音コロナの秋がまだ叩いてる
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この季節 この肌寒さ 空の色 条件揃ってハウリング
0
直青の空に手を伸ばす 明日には君も一歳父母も一歳
1
いまのうち隠しておこう哀しみは夜の暗がりブラックホール
1
金色の蝶はリボンをたずさえてページの森を舞っております
0
歩くほど遠く感じる「あの場所」は本当は無い理想の死に場
1
栞だけいくつもあって人生は一冊の本のはずなのにね
0
雨を待ち晴れを待ってはいつまでも君に会いたい理由を探す
2
気怠さはワクチン接種のせいである誰に聴かせる言い訳でもなく
1
稲刈りで飛んだ花粉でアレルギー 故郷の土地に嫌われた気がして
1
牛乳の白さに恋し見つめてる 君はちっとも照れないね
1
気圧だか湿気か何か知らないがやたらめったら気が滅入ってね
15
眠りたいわけではないがこの脳が眠たがるから眠ってやるか
1
福音がいつも遠くで鳴っている街灯の消えた路地にアカシア
1
あの頃は頁をめくる指だけが私を遠くへ逃してくれた
2
にちじょうに非日常を重ねたらうつくしいからもう目を閉じて
3
鈴虫の歌にあわせて秋風を揺らす尻尾で指揮をする猫
12
呼吸すらためらいもなくうばう手が背中で迷う 雨は夜降る
3
地下鉄の風に髪がなびく時大人になれた気がした東京
7
夜中でも 虫の音って聞こえるんだな 不眠続きの新発見
1
本当はもっとこうしてたかったの 君のパンだけ高めのバター
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労働は冷たい目線に慣れること 不適合者は息を潜めて
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曖昧な甘さに惑う桜もち 葉を剥ぐ人差し指の悲喜
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わたしたち 令和の時代に生きていて 化石になるのを怖がっている
1
燃えていく隣家の窓のすきまからカップの割れる音が聞こえる
1
森の奥 沈むあなたに手をのばし 溺死したってかまわなかった
1
旧友と会って交わすはワクチンと明日の天気と白髪の話
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冷凍のうどんをレンジで温めて冷水で締めて啜って溜息
2
あの頃と変わらぬ君を夢に見て声もかけずに朝日を拝む
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