賽の目の 選ぶ禍福も 一巡り  なべてこの世は 零和ゼロサムゲーム
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情報は洪水なんだ方舟を押し流しては更地に戻す
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海へ海へ近づくほどにでかくなる玉音放送 明日から令和
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閃いた指輪の先だけ 分けたまへ  家の桜を愛す心を
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星の如 遠い岬に 君となら行ける気がした くらい渚で
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境内に 咲きし天竺牡丹ダリヤは 泰然と待てり  主人に頸打たるるを
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少しずつ忘れる努力はしています、メンヘラヤンデレお帰んなさい
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どうしようもないほど離れてみたけれどやっぱり君を嫌いにならない
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雨音とカエルと川の唸り声いつでも地元は美しいまま
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夜の渚突き破って飛ぶうみへびは龍だったころ想って叫ぶ
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芋焼酎になれなかった焼き芋の遺言だから折らずに食べる
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生まれた分この時代がいつまでもいちばんとしてこの心留め
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平成というひとつの時代にたくさんの未練と人置いてく
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ああ終わる終わりが来るのもうすぐにでも思い出は消えないといって
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「なぜだろう、同じ四月がない事や消える事など忘れていたよ。」
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さみどりのもゆるけやきのなみきみち母の忌日に母の恋しき
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行こかよそうかおろおろするうち今日も今日とて日が暮れる
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手に残る傷痕いじる癖がありやめられないので死ぬまで消えない
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華やいだ嬉しい気持ち駆け回りとろける甘いバターになりぬ
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いつまでも自覚などない思春期に連れられ明日がわからず迷う
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I LOVE YOUねえこの唄が聴こえるか?いや解らないならそれでいい
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前髪に隠すニキビを潰した跡 スーツ着たのに思春期みたいね
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空襲に家を焼かれし母なれど亜米利加にくしとつひに言はざりき
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沖縄に行ったことはないけれど春雨しゅんうの寒さに耐えられぬ夜
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その先にが待つものか夜行バス店店みせみせ眠る新宿あるく
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宛もなくくものまにまに剛毛をせわしくうごかすアスピディスカ
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冗談のように黴てる食パンのたましいごめん、星座になれよ
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待ち人がいつになっても現れずでも逢えた時にっこり笑う
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鉛筆でなぞって僕にするんなら 中まで透かしてその目で見てくれ
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こでまりのはな咲きいでぬあづさゆみはるの光のふる庭さきに
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