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終戦の吉祥寺駅 路上には泣き声あげる赤子がひとり/とある男性①
12
ねこ母は アレできぬよねと 小さき手 じつと眺める ドライヤー・
2個持ち
(
ダブル
)
8
あの
女性
(
ひと
)
がいいなといつも 思っても 指名はできぬ美容院なり
13
両足が直立したがっているのカプセルホテルで目覚めるたび
14
雨降らず二十日も続けて雨降らず散歩をさぼる口実もなく
14
若かりし沢田研二に憧れた「ジュリー」はまこと美しかった
14
唐揚げと天ぷら蕎麦とミニカレー食べ納めする大学病院
9
唐突に補強のためとレーザーを打つて左目卒業となり
6
腕組んで今年一年振り返るいろいろあつて足元の冷え
5
幼子の泣き声こそはかなしくて締め付けられる師走のロビー
7
待ち人の間を抜ける看護師のポニーテールはふわりと揺れて
12
下腹に力を込めて見開いてまばたきをせずこれが最後と
6
この店は学生時代好きだつた人と来た店夕暮れの窓
8
日が暮れて明かりが灯るかまくらに
温
(
ぬく
)
い
温
(
ぬく
)
いと頬
紅
(
あか
)
い子ら/雪②
19
庭雪に幼子たちは熱くなり白へ飛び込むパジャマのままで/雪①
15
果てのない湖面を越えた冬の風コートの裾を巻き上げ走る
10
雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありし日のこと
21
本当のクリスマスって静かなの
園児の劇
(
降誕劇
)
に心温もり
26
鼻につく おまえのことも うたにする 三十一文字ぶん 距離をとる
9
「次の授業聖書だってよ」「え〜寝そう」プロテスタント高校の日々
12
冬は好き冬服ぜんぶ可愛いしつけすぎチークも許されるしね
8
「ここめっちゃカレーの匂い」「えっマジやん」犯人は私カレーパンのせい
7
アドヴェント蝋燭二つついたまま大礼拝堂ひとけもなくて
8
電線の烏の下を通るよう安らぎのない日々はここまで
15
商店街 ささやかなるがクリスマス よくよく見ないとわからぬ
イルミネーション
(
イルミ
)
13
加湿器の水が溜まるの待ちながら すっぱいぶどうの考えばかり
5
度が進む、輪ゴムを虫と見間違う、老眼鏡またひとつ買う
15
愛しさに肺の隙間が動かない窒息するぜまだいるのかよ
5
腐ったらそれで終はりさ口笛にみづみづしくもひびきゆく沢
7
3日前人参やったしんどさを今朝の冷え込みまだ腰が言う
15
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