午後0時 工具散らばる作業場の新人の背にうつくしい染み
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病院の塔の上から母カラス「カーカー頑張れ負けないでね」
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新しい服を着てみたほら君に一番先に会いたくなった
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紙コップを満たしている珈琲が私のここに居ていい理由
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恋の愛 友の愛 などあるけれど 相互フォローの愛 はあるのか
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玄関に彼女の傘がない朝の雨のしずくに感情はなく
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布一枚ヴェイルに包まれ朝つをおごそかに待つうめぼしおにぎり
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パンプスで濡れた道路にりの花びらよけてひとり帰る
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絵師達が手塩にかけた一枚を僕らは二秒で賞味する ああ・・・
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朝早く君と話せる悦びと我が失言が空気淀ます
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眼の前の事を細かく俯瞰ふかんして今ある僕達壊さぬように
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俳句詠むあなたの一句聞いて今一首詠みます想いを込めて
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静寂な独りの夜に響く鼓動 慰めるようとくんとくんと
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そうですか貴方の世間はどれですか?私のはその白い花です
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感情を犯されがちな僕たちにまだ早すぎたインターネット
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雨の日にこそ知る風景 嫌なニュース その日の午後に会えてよかった
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幾億の人々の群れ君という奇跡に出会う銀河の掟
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離れたら体内温度は下がりゆく私の肌は清く正しく
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混じりあう視線の先に講義後の約束交わす君と僕かな
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ジュルジュルとムクドリの群がにぎやかに「春の小川」をさわやかに詠う 
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応用は苦手だけれど君へ取る距離は微妙な公式使う
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日も暮れて蛭も虫も騒ぎだす令和の五月熱い温度
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ひとくいのイメージほどには怖くないつぶやきながらゆく鬼子母神
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今日昼間歌を作ろと思ったが忘れてしまったそんな休日
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多過ぎと思うぐらいがちょうどいい やはりキャベツは縮むのだなあ
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三十になろうともいう真夜中に嗚咽を漏らす恋をするとは
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トンネルを解体して砂の城を立てたら 君が喜ぶと思って
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悪魔との契約交わして気を利かす その思考がさ 中二病だね
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アスファルトが発した熱によりぱんぱんと暖簾が揺れる両国の町
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何時だって黄金のエールぷは~して 呑兵衛のんべんだらりよ千代に八千代に
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