決壊し 止まれ止まれと 願っても あふれてやまない 涙腺のダム
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まどろみで 我が名前を 呼ぶ声は 忘れやしない 愛しい人
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別れ際 ひかれてしまう 後ろ髪 最後までずっと 美しき君よ
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想い出は 二度と見れない 青い夢 我には長き 夢のひと時
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楽園で産めよ殖やせよ地に満ちよ言うたおっさんはここになおれ
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その炉心は若狭の海をみなもとに畿内をてらすはずだったけど
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薄雲がかかった太陽みたいに不器用でやわらかなあなたへ
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人々の 祈りの数は 満天の 星の数より 多いだろうか
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グループへ入れるかどうか迷われる程度の関係しか築けない
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どこまでも馬鹿になれるねこの手さえ離さない約束があるなら
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夏過ぎて今年もできたシミぽつり プール遊びの勲章と泣く
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暑いかな寒くないかな気になって 子らの布団を取ったり掛けたり
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我が娘 自身の壁を 打開して 校門くぐる姿は眩しく(不登校からの第一歩)
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弱くても弱くなくても生きておく「生きていく」んじゃなくただ「生きておく」
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「あの頃」が一番良かったと言う君よ 俺の「あの頃」たぶん今だよ
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そそられてその気になりかけ寸前で結局買わないTV通販
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シンデレラ覚悟を決めて走りだす私の最後の恋だから
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「今度また連絡するね」からずっと君のスマホは電池が切れてる
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若い時学問サボった酬いかな諭吉さんには見放されてる
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「おしまいだ」 服を脱ぎ捨て 浴室へ シャワーで流せる 程度の憂鬱
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野葡萄が 色づき初め 瑠璃色に すすみゆく秋 差し色のよに
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塾からの帰り道に聴く曲がいつしか私の戦友となる
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赤帽子オーバーオールにヒゲつけて わくわくするねワンダーな旅
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四季が死期を迎えて二季になるかもと、笑うも川沿いの葉は青い
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職場から聞こえてきそうな悪口を塞ぐようにイヤホンをする
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狂うごとピンポンピンポン叫びいて 我をさえぎる自動改札
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弁当には シャウエッセンより タコさんの 赤いウインナー テンション上がる
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ごろすけホ-厠に立てば五郎助ホ-背戸の藪から梟がホ-ホ−  
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早まった夕焼け 影を伸ばす子の 名残惜しげなバイバイ響く
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大楠に添いて銀杏イチョウの葉のゆれる陽射しを受けて黄金に光る
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