弁当の上の梅干しみたいだねお飾りとして連れ回される
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正しても正しても正しきれなくてれとねをいつも間違えている
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スーパーのシュークリームで満たされる満たされてしまうぼくらだった
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園児らの「如来大悲の恩徳は」こゑをさなくもうたひけるかな
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清明のやさしき雨につつまれてさくらさく村はるかにけぶる
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汚くておぞましいほど愛おしく絡みつくのだろういつまでも
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あぁまるで舌が拒むほど甘く濃いオレンジジュースみたいな恋だと
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酒短歌 作っているということは はい そうですよ 断ててませんよ
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恋衣おもひおもひに染めなしてさくらの下の愉しきうたげ
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春宵の artistic芸術的に照らされた 桜は斯くも、 artificiality紛い物に見ゆ
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交通は不便ですけど人気です砂丘コテージ地底深くに
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花便りとどきにけりなたれこめて春のゆくへも知らぬわが身に
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あんず咲くローマの春の謝肉祭やそのちまたにあへる子や誰
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さざなみの音が私をさらっていった ぬけがらだけがここにある今
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灰桜 次に生まれて来るのなら貴方に愛されたいただそれだけ
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ブスなんてこの世に誰もいないと思う世界で一人私以外は
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狷介な雄のけもののにほひして走りすぎにし体育少年
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一日の終わりは明日の準備してからあおるビール一口
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性別の「らしさ」規範をこの歳で既に学んだ甥が哀しい
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バター練りしぼるクッキーいくつものハートを描く血の味はせず
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そむきゆく小指の意思を感じつつ嘘はつかずに好きだよという
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夕かげの名残りたゆたふくれなゐの山の端みればいでし月かも
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あくびするまひるまのきみ ポケットにカフェオレ缶をそっとねじ込む
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レモネードまぜたマドラー口に入れ熱のある日のしぐさを真似る
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筋肉と血管ばかりの人形と二階廊下でステップダンス
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かき氷のシロップで染める恋心初めてだからレモンにしよう
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くらげには単三電池あげてみたすごく光ってくるくる回る
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半額のシール貼られたばっかりの回鍋肉を抱きしめ帰る
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すやすやと易々やすやす眠る君揺らし「うなされてたよ」といけずする夜
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所詮この世は常に無い物ねだり届かないからこそ美しい
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