別れても君の匂いが恋しくて柔軟剤を使い続ける
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文月の夜風にふわり舞う月はくらげの脚をさがしているの
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人がいくら稼いでいるかなど気にしないそれが男だたまに気になる
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ダルカリーに 合い挽き肉と鰹出汁 破戒の味を愉しんでゐる
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曖昧にただなにもかも曖昧に梵我のあわいささで散らせよ
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脱殻のセミ、亡骸のセミなどを積み重ねれば終わりゆく空
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金の話するなと父に教わったその方がいいなるべくそうしよ
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我が皮膚の下にぞひそむ バケモノを 君といたくて 鎖につなぐ
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暑くってビールうまくて飲んでって何がなんだかわからなくって
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生きてればよいことあるさ呟いて 明日の鞄の中身を詰める
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フィルター越しの空だと不鮮明 ただ星はどの目でも見えない
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復旧の見込みはみえず踏切は 帰る日ねがい一時停止で
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起き抜けは不揮発性の感情を 蝉しぐれにて共洗いする
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しき罪左右同じき文字なれど罪はいくらか偏りてあり
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美しい夢はそのまま美しくけして汚すな涙に濡れても
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死にたくて入ったカフェ プカプカと泡立つソーダの気泡は僕
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とおいとおい場所で暮らせし彼の人が必死にわたしを呼ぶ夢をみた
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嗤うのは貴女一人 もう終わったと鮮血で濡れる肩を抱きしめ
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この音はパンデミックの五秒前 さよなら交わす熱月の壁
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ゴメンねと舌出して言う幕切れもわが王国の風物詩かな
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白き鳩撃てと命じるわが王は魔弾の行方つゆも知らずに
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冷涼と人工の風吹き抜きて闇ゆき来する地下鉄の怪
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澄むほどに心は哀しくなりそむるしき罪とは青の結晶
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ふた葉みつ葉こころに任せ葉つぱ摘みすれば冴えくることのはの青
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あなたから届いたメール大切に保護しておいて繰り返し読む
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眠れない夜は寝なけりゃいいでしょう  突き放された小さい記憶
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食事代、おごらないでね あなたとはずっと対等な立場でいたい
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ほんとうは人並みに生きて死ぬなんてまっぴらごめんだとは思ってる
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本当にしてはいけないことは何? ホントにしたいことは何なの?
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言の葉の密なる青の結晶を君と静かに育てる愉楽
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