空冷のシリンダいかに熱かろと扇風機にて乗り切った夏
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過去最高に暑い9月となりにけり ビールフェスの予定をいそいそ入れる
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歯のケアのオヤツを日毎あげるとき よく噛んでねー、と、ねこ母の呪文
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んでもまあこのくらいなら許すぞと思ったりする33°
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みずうみにひかりのドレープゆらりゆらり夏の終わりの風、今始まる
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古希超えて 我等に送る 動画見て その志 熱く感ずる
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駅前に 新規オープン 理容室 接客・技術よし また来ます
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古希前に 進む我が道 見えてきた 遠野で語る 八十嫗
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若くして 夫病死で 生きて来た 明るき母に 子供ら続く
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大震災 二十年後の 大空襲 共に十万 命消え行く
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遠野にて 死を乗り越えて 言葉つぐ 悩みの意味を 噛み締めるかな
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手を出した 家庭菜園 楽しくて 想像よりも 高い野菜に
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僅かでも涼を求むる傍らで僅かの秋を寂しむ勝手
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ふわふわの枕をつかい ねこ眠る 気に入ったらしい おひるもわすれて
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この時期のたまる疲れに効きそうで季節の梨を夕食に添え
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大粒の葡萄の皮が 手に余り 果汁滴る これぞ秋かな
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レモンの木 成長早きを 共に見て 「これ何?スイカ?」 せめてミカンで
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自分を傷つけるためにさよならと言ったわけではない もう探してくれないよね
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にちようび まずはおいしいもの食べる 120円のフルーツタルトか
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予定外 朝活のような片付けを キャベツと大根 丸ごと入れたし
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4日分 安い献立組み立てて パズルのように冷蔵庫整理
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なにをがな 曉月夜あかときづくよ昨夜きぞに 思ひおきたることのあるにや
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幾年いくとせつがいの鳥ごとく 暮らす日々 向き合う湯呑み いつの日か消えるまで
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夏衣まだ脱ぎ替へぬうたた寝の夢驚かす荻の上風
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花火散る 夜空が明るく 照らされる だけど隣に 君だけいない
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好きなんて 言えるわけない そうだよね だってあなたが 大好きだから
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思い出す あの日のことを 今日もまた あれから僕は 変われたのかな
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例へればヘッドホンより漏れきたる音楽に似し吾が耳鳴りは
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雷の鳴り始まれば飼ひ犬は尻尾を下げて我が傍に来る
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退職しハローワークと各役所縦割りなれば何回も行く
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