全天はスタンピードになだれ墜ち プランク長の結晶となる
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私以外 あなたと私を知らないの 相対的に私が絶対
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古の塔の瓦礫を手に取って神になるため英語を学ぶ
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何者でもないわたしを生きること 焦燥・加齢、解放となり
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夏が死に秋を殺して冬と死ぬ 春もそぞろにまた夏を待つ
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百年のラブ・ロマンスのゆめをみた 君の寝顔で醒めるだろうけど
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君の世に僕はいらないでも少し あなたに会いたい、会いたかった
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まじないも解けてしまえば救えない 無力なわたしをどうかゆるして
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やさしさと星のささやき消えたよるせめてあなたの記憶になれたら
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オレンジの丸を認めて乗り換える 中指の痛みに頬歪めつつ
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土色の水たまりにも雲流れ向かふのそらの時間をうつす
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Let it go 知りてはゐても難しきそのままにしておくといふこと
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夏の雨と葉の風わたる木洩れ日をみて満月、檸檬のかたち
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過ちをすべてすなおに認めたらもはや私は私ではない
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今日君に逢えるのかしら 逢ったとて何かがおこるわけじゃないけど
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小学生の頃の友人の言葉に縛られて生きる私
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扇風機あっちを向きたがっているこの恋はもう終わる気がする
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生産性無いと呟く人に問う 虹の境界はどこにあるの
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泣いた数 思い出せるの だけれども 笑った時ほど 思い出せないの
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「あと5分」 そういう時間は思惑に沿って思惑以上に早く
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日も過ぎて 面影、想い、遠ざかる 慣れたこの頃 夢に出るきみ
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筆動き線引くことで文字生まれただの線とてひとをうごかす
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夏の月せめて檸檬の香りせよ醒めない街の夢にあるなら
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夕立にコンクリートと雨かほり色のくすんだ庭の紫陽花
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したいのはしてはいけないことばかり 何がしたいかわからないので
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約束を守るためならなんにでもなると誓ったわたしはガメラ
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心臓はあと型真っ赤な楽器が鳴り響く目前の君にばれやしないか
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さようなら揚げたポテトとかりんとうアクリルアミドたまには食べるか
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月の宵ひかりをかへす白き桔梗かげはしづかに韻を踏み立つ
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星あまた降りつむ夜にいにしへの歌人うたびとたちの見し月の舟
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