メールする今も月は綺麗ですか? 着信音もならない毎日
10
欲望のままに生きたいわけでなし ただよっている差異の波まに
9
秋惜しむ 湖面に落葉 舞い落ちる 湖畔の木々は 冬支度かな
18
夕べには 久しき友と 語らいし 時間ときを忘れて 杯を重ねる
14
旅先の  ススキの原野に 分け入りて いと足早に 秋は過ぎ行く
14
目を閉じて音に世界を感じとる。犬の散歩に追いこす自転車
7
ゲリラ雨は呪詛の響きや曼珠沙華 倒れし花の庭に秋風
14
道すがら色付きを待つ街路樹を 毎週撮りて冬来るまでの日記とす
25
空なんて高ければ高いほどかなしい 悔やむことには果てがないこと
13
ウソみたいに顔がまるいこと 写真にしたらウソになるかも、 猫
8
たけき朝 泡立つ胸に残るおり ただいまの声 おそらく君も
9
死を語る 息子の眼が我をえぐる夜 蒼白き部屋 ああどうしたら
14
夕餉すませ 風の吹きたる家庭いへにはにたははに実る柿は哀しも
4
追いかけてくれる優しさ期待してゆっくり歩く駅までの道
24
幼きにかげおくりして並びたるかたへの影は今はあらぬか
9
はろはろに流れてゆきし白雲の数あるごとにわれは憧れむ
4
永遠とわの日にかじる果実はみずみずし 甘し酸っぱしめでたしかなし
8
哀しびは氷雨の如く たたなづくわが柔膚にきはだをふかく刺したり
3
愛だった愛だったはず君のいた駅の名前は思い出せない
8
奪われてきたわたしから奪えない愛をもらったひとであること
5
剥製標本にして忘れたいことも留めてしまえる短歌
6
愛してくれていた形跡霰にして投げ付け離れてくれない
3
友だちと職場の人の中間の役目で頼む 愛したくない
9
色を持てない時期にしか行かぬ町 風で寄り集まる金木犀
7
既読しか つかないLINE こぼすのは グチぐち愚痴と 濁点ばかり
9
受け取った重み抱え恨み言消していくエジソン自尊心
4
揺るがずに夏の青空 家と父佇み手を振り小さくなり
5
感情に振り回されて私たち ただ血液がただ流れてる
7
嘘ついた すぐに私はわかるから あなたの様子おかしいことを
9
暑くなく雨も降らない秋なんて来てくれるのか疑心暗鬼で
8