咲きいそぐ木蓮の花に冴え返る ほんとのはるを知らずしおれて
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校門の袴姿の十二歳 そば行く子らは流し目走る
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愛だとか慈しむ気持ちは目に見えないただあたたまる見えない心が
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開花日が どんどん先へと 逃げていく 望めば逃げるよ そんなの慣れてる
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ときをこへ 春雷に覚えるあのときの  君の言葉が この胸めぐる
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つくしんぼ 野原に顔出し春思ふ  季節はひとより 君が知るもの
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水面に うつる季節は 曖昧で 浮かびたゆたう 私の模様
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山合ひの 十二兼 と云ふ過疎の駅 三寒四温も鳥は羽膨らませ
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夢の中 絶望を知るためだけに 君との日々をなぞり返すの
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すり抜けてしまったものを ただ追って 君が欲しくて 満たされなくて
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ばかだね‥ 傷つき直すことはない あの頃けして戻れないのに
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春雪で手形をつけて笑った日かかった虹がなみだ溶かすよ
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春陽あび勝間の本をオーディブルで聴きつつバイクマシンを漕ぎゐる
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夢雫 醒めてたちまち 朧いで こぼれる記憶に 空は三日月
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オモチャのニュー・ナンブ 弾丸はシグネイチャー
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今宵、いつもの劇場で 除け者と獣と鉢合わせて
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大丈夫しか見当たらなくなったら また教えにきてね
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夜は無慈悲な女王 冷蔵庫をレコンキスタしよう
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探し続けた言葉はきっと 平凡なまま、そこにあるから
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僕らの人生は映画じゃない そんな事も知りませんでしたか?
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幽霊船が見えた気がした 橙色の空とパレード
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どうやら何も始まらない そんな日々の俯瞰と予感
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嫋やかに 差し込む熱を少しだけ 体温にして 変な夢見たい
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ももいろというひらがなに咲きそうな花をさがしに歩きませんか。
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無常が どん底であると するならば 希望の光は 見えるワケない
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不自然に 明るく照らす 街灯の LEDが 青く感じる
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あー今のは 430ヘルツ 位だな 狂ったAに 僕は反応する
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暗黒の時代ときが再開タイガース ツウにはたまらん 勝てなさかげん
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メーラーの F5を押して かくばかり 僕は無用の ものとかを知る
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どうしょうもないことどうにかなる瞬間 全ては2択 オセロにもならない
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