もう岸に戻れなくてもかまわないから漕ぎ出したあなたへの海
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ザラザラの心を溶かす暁の西の空には大きな満月
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いつか会うあなたの心のまんなかを目指してことばを磨いてきたの
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氷点下 身体の芯から震えをり 老体凍えし 寒波到来 
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背負うものを決めて愛をつづり出すわたしを覆う月のヘイロー
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先生と 呼ばれるよりは 友達の ように親しく 接してほしい
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馬鹿にされ 軽んじられて 平手打ち されてもじっと 仕返しもせず
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痛い目に 会えば会うほど 鍛えられ へりくだるほど 恵みを受ける
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言わなけりゃならん事などこの世には言うてそれほどありゃせんのでは
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月光をいてどこゆくトラックよ冬の寒きに第三京浜
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「明日届く」そうあったから待ったのにAM2:00の明日、今日でなく
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どなたかを傷つけてまで言わなけりゃならん事など今のところは
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確かめる時計の針の一回り「したい」と「せにゃ」の長さの違い
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したい事せにゃならん事一時間なんでおんなじ長さでないの
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チェンソーで頭カチ割り君まぜて死にたいくらい冬が好きです
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革靴に 小石はいつて 棲み着ゐた 凍えるはこ と 黒い制服
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無情にも新規メッセージ一件ピコンの音でで訳された三日三晩と一夏の恋
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明日あすこそはあれをやろうと目をつむる出来た確率二割五分以下
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今日だって 定かでない思考 紙をくう餓鬼 何ができると
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我が隣 共に夕焼け 見上げれば 消え行く赤に 待てと求める
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知り合いと 思った時の あっ、て顔 違った時の あの恥ずかしさ
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嫉妬心溢れし思いを語る友そう言われしがなんともできぬ
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飲み屋街裏通り抜け居酒屋に昨日の仕事のミスを忘れに
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薄氷張る公園の水飲み場周りは雪にウズもれており
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またフラれ泣き顔見せる弟に姉ちゃんはもう言うことなどない
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クリスマスツリーの飾り作ったとクラスの話題話す娘は
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茶碗蒸し銀杏が乗り箸つまむ玉子の味が口に広がる
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老いた母もう何もかも懐かしく笑みをこぼして語らう茶の間
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ようやくに帰ってきたのは父の顔単身赴任の疲れも見せず
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堪らないその静けさがなんとなく図書館帰りの二人の影と
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