花のに 宿りし露のあだなれば ちぎりをかこつしづくなりけり
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ツバキ咲き ジンチョウゲ咲き サクラ咲き 遅延の春は 特急と成りて
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五ミリほど合わなくなったローファーをスニーカーに履き替えてゆく
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褪せてなお面影のこす花のようにわたしの骨も愛してください
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この街で 生きてく限り 幻影思い出に 苦しみ泣いて 終わり来るのか
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考えが頭の中で連鎖する 考えたくないそう願っても
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「この愛に歪み、私が名前を つけるなら」、そこまで言って、孤独に気付く。
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桜花咲く春の訪れ満開のマジックマンの神業みたい
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福島の馬走るとこ訪問し大興奮の生観戦を
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付き合ってる間に可愛くなっていく君を見て 人に取られる心配をした そんな時期ときもあったっけ
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ブロックをつまむつなげるひきはなす 一つ一つが真剣な指
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擦り切れた薄布が揺れ、射し込んだひかりにきみの名前をつける
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もう一度 愛されてももう あの頃は 還ってこない 花よ散り去れ
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大好きな あの人を想い 業務過多 心の支え 春風のよう
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業務過多 深夜の事務所 窓辺にて 池の水面と満開の桜
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逢いたくて 逢わない方が善いのだと 自分ころして 幸せ願う
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新幹線 乗りて帰路つく窓際の 映る向かいの 子仕草笑う
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赤ちゃんと 視線が合うと ついバァと 親バレぬよう あそぶ喜び
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黒い紙に黒で書いた告白はほどけて真白い蝶になった
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復興の道しるべのと鉄道の再開はいい出会いの予感
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傷ついたきみのほうがうつくしい いつか呪って四度死ぬから
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春の午後 庭の片隅 咲く花の たくましかりき 命の連鎖
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沈みゆく 船から落ちて 思うこと 私だけでも 生き延びてやる
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曇天の 桜の下で思うこと さっさと散って 終わってしまえ
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あまのじゃく気持ち裏腹吐き出せず 桜見上げてため息ひとつ
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些細事故 トークゲームの主人公 まるで今だけ 明日はもう夢
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我が心 揺さぶる讃歌 エルサレム 今こそ進め 迷うことなく
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朝刊のガザの惨状目に止まり自分の有り様ありよう羞恥覚える
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流されて思ひしわれは儚くてほんに見つけしわれの明るさ
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桜見てテントウムシも寝転がり秒で寝られるレジャーのシート
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