日が沈み。何も見えない ただそれは、遠くの君だけ照らされて
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この強く広がる空の存在を、その奥の幸せな僕達の存在を感じた
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何も聞きたくない静けさに灯りを押すのはこの気持ちを薄めたいから
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タンポポは綿毛になって飛び立てる光まみれる日まで粛粛
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この国はともかく地球全土では壊れたように殖えているヒト
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すぐにでもひっくりかえりそうなそら神振りかぶる足のまにまに
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「ねえ見てよ」ぺろり出される色予想祭りの前のシャリシャリ至福
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「推し」「萌え」や「BL」さえも認知され なんとオタクの生きやすき世か
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大変だね 夏休みには 手伝うよ その一言で 報われる父
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二歳児が 階段上り 練習中 オモイオモイと 呟きながら
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痩せたのは 親身な医者に 会えたから オッサンだって 褒められたいもの
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作業場に 黒いマジック 数あれど 探してるのは いつものマッキー
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バカボンの パパの年齢 越した時 立派なオッサンに なろうと誓った
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生ゴミや 異臭を放ち 眼前に 旗振り当番 全集中で
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文句あれば 俺より仕事 出来る奴 探せばいいさ 同じ給与で
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五時前は 車少なし ラジオから 聴いたことない 異国の調べ
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十五分 早く納品 行って帰って からの旗振り 我に幸あれ
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街灯と 月の明かりに 照らされて 明日出すゴミ 準備しておく
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別個体としての距離は、いいですか、愛情ごときで縮まりません
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追っている夢が近くにあるようでほんとは周回遅れのわたし
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大好きな伯父さんだったと泣く従妹 頷くことが難しい吾
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抗えず脅威感じた父何処いずこ 目の前にある小さき亡骸
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毎晩と涙を流す星空に思いを馳せれば破滅の彗星
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空色リュック十両車連結ドア駆け抜け駅に三度目のバイバイ
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土砂降りの中をチャリこぎ大爆走 したい湿気と暑さを脱いで
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エナメルの靴で蹴飛ばせ 考えを辞めた奴らの チープ構文
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「そんなにも生きないだろ」と言いつつも雀百まで踊り続けろ
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豊作の 玉葱袋に ぶら下げて お裾分けの お裾分けなり
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茄子胡瓜トマト玉葱モロヘイヤ 夏の味覚は 親戚様様
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涼風すずかぜや 外の仕事が 心地よい いつもは事務所なかが 羨ましいのに
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