頭髮はどんどん抜けて 足の爪伸びるに速し摩訶まか不思議なり
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湖北にて鮒のなれ鮨 試食せば観音の道仁王さめやらず(匂う)
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馴れ鮨は熊野の鮎と京の鯖 逃してならない近江の鮒を
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一時間早く起きると決意しも三日坊主で枕抱きしめ
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手紙には嘘を書いたのウィンドウに映る自分の顔が怖くて
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流行語 アレでもなんでもいいからさ 明るい言葉が大賞がいい
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ミニジョウロ見よう見まねで水をやる自分の芝はいつも透明
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そうしきや しゅじゅつのように ひとのいきしに てれびでみてる
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好きな色をつけたいから私はフルカラーベース春夏秋冬
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アウシュビッツ とめられなかった じんるいは にどくりかえすと 後世につたえ /目の前の大量殺人
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ねむれない花がどこかで咲いていて夜の風が波のようにさらう
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軒端のきばにて一本ひともとへる芒穂すすきほの綿毛眩しき霜月の空
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文末をすぐ過去形にしてしまうこんなところもネガティブなんて
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この世には神も仏も居ないけど拾う神ってどこに居ますか?
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人生に後悔ばかりしています。誰か記憶を消して下さい。
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百均のラブラブハートに茎が出た。そんなあなたは運の持ち主
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分蘖を示すウスネオイデスはお湯のシャワーで出逢えた初見
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一段と老いを進めて講習なるを受く自動車学校
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攻め団扇「あんなのどう?」と聞く貴方 今日も踊るよ手ノヒラの上
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またねって また会えるかな 嬉しいね さようならより また会えるよね
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大好きだと言ってくれるの なんでもする、嫌わないで、と泣くのやめたい
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この映画ポップコーンは似合わない 食べるタイミングが分からずに
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神様へ・乗り越えられる試練しか 与えないでねどうぞヨロシク
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にんじんを短冊切りにしてく指 わたしのなかを暴くしゅくめい
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ぜったいにまもれない約束はしない ききたいことは噛んで飲み込む
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不足して友への手紙舞い戻る 10円分の多すぎた文字
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意外にも イスラエルって 中国と おんなじような 監視社会 /Pegasusとゆースパイウェア
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頭に血 座る老人囲む人優しき人の声かけ響く
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今日もまた錦秋にして夏日なり 百年前と似た気象とか
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階段を降りればそこに月がいてやさしくほわり出迎えられる
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