山積みの 段ボール箱 手降ろしや 年の数だと 途中で気づく
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花は枯れ 種拾いまた 種を蒔く 子から教わる 「いのちのあさがお」
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白雲の 狭間から差す 薄明り ゆっくり下る 渋滞の朝
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スーパーで 子供が書いた 願い事 七夕の日にない飾っとけ
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じいちゃんが死んでしまった夏の夜 ドライアイスを毎日追加
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百円の ピーナッツ食べ 二十年 産地が分かる 硬さが違う
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真っ昼間 ビール落とした 破裂音 派手に決めたぜ の居ぬ間に
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朝刊を配るバイクの嘶きは後の祭りの始まりの合図
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サンタ帽被るペンギンきみだけが孤独な夜に居場所をくれる
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七夕に「叶うといいね」と笑い合うそういう恋がしたいと願う
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副交感神経優位になりたくて会社帰りに浴びる熱風
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片割れの 月の行方を 星系を 離れたイドの 彼岸に探す
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実存の信号シグナルなどと 街頭で 三文オペラの 口笛を吹き
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七夕の願いが思いつかなくて君の幸せ願っておいた
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星までも人の名前で呼んでしまう、われらはそういう生き物だった。
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「EVの時代ですよ」とテレビから そんなポケモンいたなと思う
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滝行を熱いシャワーで毎夜する赦されたいと指を組んでは
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麗しき空の輝きよりもなを純愛逢瀬胸がいっぱい
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天の川金平糖が流れならもうこの時代往来自由
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山頂に光り疲れた星もひと休みするよう置かれてる椅子
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きらきらと波間へと射す太陽の点描が心を焦がす夏
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七夕の願いは一つ 天乃川毎夜渡りて君に逢いたい
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七夕や 願い短冊前にして 叶わぬが怖くて願い書けぬ我
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透明なきみの涙もあつめたら青いだろうか 遠い潮騒
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切れ端の証明写真を貼り付けて「生きたいから」と書きなぐる夜
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はち切れんばかりに膨らむ妄想で君と一緒に空を飛びたい
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「水瓶」の 少しの水を 分かち合う 自由のために 奪い合わずに
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直球の 「生きてりゃいいさ」に 救われた 正真正銘 絶望に効く唄
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思い出と 心と心 つなぐ旅 汽車に揺られて 行ったり来たり
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死して尚 東北人を 励ました 「元気ですか」 明日に希望を
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