「愛してる」「ぼくも好きだよ」「ふふ(わたしのために死んでもくれないくせに)」
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死ぬまでにあたしの名前を世界でいちばん呼んだひとになってね
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役目を失った灯台のように見守り、微笑み、死んでいけたら
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短歌でも詠みたくなるよこの夕べ ずっとあなたを見ていないから
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否応なく世界の終わりと始まりを食卓に知る日曜の暮れ
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真っ暗な夜にのみ降るあまい雨 こころの町に電灯がつく
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春の日の 夕暮れ真っ白 お先にね 遠くの景色 見える回想
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ばあちゃんの運命線は途切れてて「百まで生きろ」手を包みこむ
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せつなさはさよならじゃないその向こう僕を追い越す夕焼けにある
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沈む舟から突き落とされた人で水位は上がるばかりであった
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枯れてしまった脳内を超えて人生を削って詠んで息をして、
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傷口に油を注いで火を落とし、こうしてわたしは大人になるのだ
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ねだられたものはというと「愛」「未来」「約束」とかで店で買えない
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飛騨川の切り立つ白き巨石群隙間隙間を清流走る
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七宗の20億年前の石温もりありしまだ生命いのちあり
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リビングのソファーの上を白鯨が回転しながらロンバケ歌う
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穴ぼこに種を撒いても何も出ず覗き込んだら空だけがある
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いや別に、五回続けて一の目が出ても六回目を振るだろう
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『踊り子』に『ゆうこ』『初恋』『夢のつづき』 皆聞いてるよね あの人が逝った日に
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ははと先に話す方をジャンケンで決めてる双子しあわせは今
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フットサルルールは理解不能でも君探知機の性能は神
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同棲し触れても心交われぬシナモンティーの粉末のよう
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「男性に興味がないの?」ゼクシィのかたわらからの文字のテロアンタの彼氏押し倒そうか
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長い長いエスカレーター乗ってると記憶が書き換えられてくような・
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シーグラス拾って「なつのひかり」と言う五歳の君の瞳も同じ
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君去りし初夏のわたしの心には穴と呼べないほどの空白
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まっすぐにてんくうたかくとびあがる   とりのかなしげなこえ がきこえる
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悪人が 管理者ならば 仕方なし 給与査定に 我儘人事
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帰るなり シミシワ三本おばさんと呼ばれても炊く 五合分の米
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ちゃん呼びが セクハラだとは 知らなんだ ちゃんは撤回 さんか呼び捨て?
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