暑くなり少し小まめに拭き掃除 子の足裏から夏が始まる
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三歳は織姫様に何願う 線を走らせ書いた短冊
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ペアづくり女子に指名はされるのに 友達止まりの君ぞ悲しき
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ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
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犬がため ソファーを捨てて正座する 腰痛めずに長生きしてね
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足長の よそのわんこを見るたびに うちの短足ちゃんが愛しい
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撫でられて 迷惑そうに去って行くツンデレ きみが寄ってきたのに
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片言と人さし指で指図して君は殿様ばあばは家来
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サロンパスあちこちに貼り眠っても起きたらすぐに孫を抱きたい
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ねぇアンタどこから来たのと猫に問う アンタこそ!って猫も思ってる
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沈む船 最期の願いはアメリカへ 憧れだった 自由の女神
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佐藤錦 出回る頃になりて 亡き友の 太っ腹思い出し
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いつも愚痴聞かせてばかりでゴメンねと小春日和に干すぬいぐるみ
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片側に寄せたごはんを包み込みオムライスはいま三日月になる
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「革命だ!」一人の「3」が天下獲り残りの「3」は「3」であるまま
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戦争も内乱もなき我が国の火葬待ち増え葬儀が遅延
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ちま猫の 肉球にくきゅうみえてる みぎのてを 握ってモミモミ 元気をもらう
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雨上がり栗の花の香匂い立ち迷いこむらむ学び舎の森に
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餌くわえ巣箱に戻る親鳥が折り返し発つ雲の晴れ間に
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真っ直ぐな愛情がただ貴方から欲しかっただけただそれだけで
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新人芸皆の記憶で二十年踊りつづけるマツケンサンバ
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あの人はパワハラをやり左遷されDXと育休はやり
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失敗を昔の上司と笑い合ひお得意先に我はなりたり
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まばたきをしているねこの キモチはね あいじょうなのよ ゆっくりまばたき
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蒸し暑くなりそうですねと世間話 昼から出かける気持ちがやや萎え
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展示会進む無人化省力化シュリンクされるこの国の未来さき
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朝カレー ゆで卵2個 付け合わせ 空は曇天 気持ちよ上がれ
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支援金制度実質税金じゃないか裏金議員に詠んで
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1ピクセル なんでピッタリできないの 少しの誤差で ズレてく世界
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なあ友よ、風に吹かれて何処へゆく。答えはいつも、何処にもないのに。
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