「贖罪じゃないわ、優しい顔辞めて。こんなセックスしか知らないだけ。」
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漫然とテレビを見てる日曜日 元気がないのは秋雨のせい
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秋高し主なくした虫篭のプラスチックの淀みを流す
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勇ましき人を食らひて契りきな 明日なき身をば 晴れ晴れと捨つ
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くちびるに指押し当てて反芻する。気づかなかった。鈴虫鳴いてた。
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(寂滅は叶わぬものよ)老医師の昏き鏡に浮かぶ待合
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才能に嫉妬してしまい削除したデータ密かにクラウドにある
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空襲ない日は退屈と安吾書き私達には解らぬ極限
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空を飛ぶ布の正体見極めたい、いったん止まれジャストもめんと
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ヘルパーさん来ているけれど まだ母は 料理はしたいお年頃なり
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ゆっくり寝た あえて二度寝をえらんだよ 気づけば隣の布団にチビ猫
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猩々と八岐の大蛇と酒呑童子「どうだ今夜は皆で酔うかい?」
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ながなが刹那せつなせつなさに心あはれに又無かるなり
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人間に怖がられないお化けたちハロウィンの夜はおうちでふて寝
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高枝の届かぬ柿は空飾り色を楽しむ鳥も楽しむ
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せいたかの泡立ち草は名の通り黄色い花は背より高くて
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不安症何で私を選んだの 受け入れなくちゃ分かってるけど
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美女達に追われる夢を見るときの私はいつも寂しい男
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奥比叡 頬冷やす風も 紅葉す あけ色の葉散り もみぢ、、、と後ろの声
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Tシャツの穴が日に日に増えていく ねこの伸びすぎおつめを切らんと
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人はみな他の生を受けて生きてゐる 野菜も生きもの牛豚鶏も
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秋空にしばしば聴くは画眉鳥のキヨコ二十一キヨコ二十一と  
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電柱の天辺に止まる鳶一羽 首を左右に何かを狙う
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カツ丼が食いたくなって自供したでも出なかった訴えてやる!
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きらきらと 朝陽差し込む キッチンで あなたのコーヒー 淹れるしあわせ
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右腕のしびれを探るレントゲン加齢に依るとドクトルのたまわ
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秋が来て薄すら色付く庭の柿 撫でたいけれど眺めて待とう
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お手軽にダウンロードをするように愛嬌だって身につけられたら
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二ヶ月に一度の通院つつがなく二ヶ月伸びる健康寿命
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災いは 仲間を連れてやってくる 実父入院 義父も入院
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