うっとりと おかおとおかお よせあって ねむるねこたち こねこのようだね
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身を萎む老年なおも美しき 牙秘(ひそ)めつつ言の葉磨く
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すれ違ふ夕暮れ時のランドセル母待つ子らの背中にかさね
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積み過ぎてつぶれた箱はもどらない急場をしのぐ上下入れ替え
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折り紙は小さく淡ひ虹色で千羽鶴折る日曜朝に
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仕事行く父を案じる女子(おみなご)に寄り添う吾子の頭をなでる
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慣れぬ家事育児送迎かの父は妻のスマホを持ちて現場へ
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辛いことあつたら母に云つた子の「つらい」は宙に漂つてをり
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十字架のごとく我らにのしかかる人づてに聞く今の症状
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午前二時倒れた妻のママ友は妻とランチでチョコミント喰ひ
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平凡な五人家族のしあわせを瓦解させうる血栓一つ
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母ゐなく子は眠れたか妻の友脳梗塞の土砂ぶりの朝
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彼のこと引きずる君は見たくない 俺じゃだめかと言えたらいいのに
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長袖に温(ぬく)き茶を持ち雨の中今夜の豆腐あんかけにしよう
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嬉々として 雨どいの水 傘に受け 道のり遠し 雨降りの朝
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どうやって電子レンジと冷蔵庫無くて暮らしていたかと思う
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理由など何もないただ今日は気が向かないそれだけと猫が言う
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石鹸を小さな手ごと泡立てる 粘土クレヨン泥にスライム
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雨予報外(はず)れ降る陽(ひ)に鳴く鳥と皐月終はりの朝風惜しむ
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我が家の玄関に巣を作り初むツバメのありて思案にくるる
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鶯の声を聞く朝曇天の空に轟音ヘリコプターの
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筋通す 自己満足のお節介 嫌われようが、子らのためなら
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正義(ヒーロー)に成るつもりなどもうとうない 俺の悪(せいぎ)を貫くだけよ
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やさしくて人間嫌いのかみさまは人魚に足を与えてうばう
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大好きな あの町に行く その度に また好きになる 心は不思議
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梅雨前の天ひさかたの笑み見せて 浮かれし風の薫り過ぎゆく
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儚(はかな)くも枯れゆく躑躅(ツツジ) 労いの眼差し送る 「また来年」と
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母への愛 溢れてベッドの端なれば 気をつけ姿勢に 腕や足乗せ
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五月末まさかの氷雨におどろいて 鯔(ぼら)がぴょんと跳ぶなり
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「勝手に来てお茶飲んでるのぬらりひょん?」「いいえ隣のボケ爺さんです」
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