祈りなど 理解わかりもせねど 聖母子の つめたい御手に ぬかを衝きたし
2
君よりも素敵な人はいるけれど、君といた僕はもう見つからない
2
神はいる 君が毎日側に来て笑ってくれることが証拠だ
0
くずかごの底でまぶたを閉じる いまなら君のことわかる気がする
1
並び立つ カーブミラーの 右に死を 左に猫の 影をもとめて
2
なにひとつ思い出もなきこの夏の 五山の炎あかあかと消ゆ
2
夜風吹き 涼虫鳴きし叢の 八月終い 肌身に感ず
2
八帖の真ん中に置いたビーカーにガラス棒で流し込む梅酒
1
夏は過ぐ交わした約束果たせずにタイトル「Re.Re.Re.」のままでさよなら
11
家を出た君と結ばれたかったと空いた茶碗に打ち明けたのだ
8
硝煙を掴もうとする幼子おさなごを抑え火をつけ花火忙し
1
感染は明日の我が身と知りながらゴルフ温泉首相叱られ
0
好きなキャラ力士に仕立て 夏休み千秋楽のとんとん相撲
1
屋根裏の小窓に集い遠望す アイスとビール打ち上げ花火
1
勉強を 一生懸命 したために 心失い 人間ドール
0
目の前の 人と話して 触れてみよ 熱き血がを持つ 人間だから
0
金のため 生活のため 働けば 無味乾燥の 会社人生
0
ギスギスと 真面目な人が 働けば 機械のような 音がするだけ
0
愛情が 失せた世界で 生きるより オンボロ小屋で 暮らす若者
0
働いて お金をもらう それだけで 自立している わけでもないよ
0
少しでも 助けることが できたなら それで十分 お互い様で
0
一人では 生きてゆけない ものだから 助けられても いいんじゃないの
0
人は皆 人に囲まれ 生きている 支えられたり 助けられたり
0
蛙だって ウイルスだって 生きている 日々の仕事に 頑張りましょう
0
カフェインを たくさん取って くらくらり 恋する感覚 とりもどしたいから
0
いままでは 会いにいけた 月曜日 もう先生は帰っちゃうのね
0
失うと知ってて私、手に入れた 盛夏の果てで枯れる向日葵
2
いずこから 迷いて来たるカブトムシ 土産ひときれ スイカ渡さん  
4
痛みさえ知らない僕は幼くも恋しか知らないだけなのだろう
0
寄せて引く 潮は指先すり抜けて 寝息に遠い海鳴りを識り
1