伊吹山うぐいすの声ジャコウソウかってなかった売店ラーメン
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家康の 兎のごとき 弱さこそ 新しい世へ 続いたのかな
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何年も行方不明のウエストを取り戻す術手遅れと君
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辻々を ゆたりとで来て列をなす 絢爛山鉾 空より眺めたし
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扇風機の風くるたびに持つ本の紐の栞がしきりに揺るる
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剪定は伐採にあらずと女房はわれを睨んでため息を吐く
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お土産の北海道を食べる朝 酸味が強いハスカップジャム
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左翼は保守とよく話さねば正反から合ヘーゲルがそう言っている?
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朝が来た 昨日の出来事 忘れさり 新たなスタート 切れる嬉しさ
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夏の海は太陽にキラキラと輝き波はわたしの心を揺らして不安
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保護犬を飼ひて茂吉を思ひ出す「生長ののちは賢くなれよ」
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デブった親父の後ろを太った息子が捕虫網を持って歩いている
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生まれつき 眼の無い我が子に 教えられ 過ぎし日々は 宝と思えり
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消えて行く 父母が守った 集落を 忘れられずに 戻りし我ら
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我が妻に 自分の無知を 指摘され 怒る我が身の 情けなさかな
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エアコンが故障した夏冷蔵庫のペットボトルが私の残機
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チーム義母 住んでた部屋の あと始末 ゴミの多さに ため息酷暑
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ほんとうに好きな歌だけいいねする 好きだからこそ正直でいたい
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この人と一度でいいから話したい そんな短歌うた詠む人たちがいる
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この恋はスピード違反 速すぎて 俺も貴女あなたも罪を重ねる
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砂山にアイスの棒を突き刺して集まる蟻を、見ている。
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精神科通院してるとわかるよう色恋沙汰によけてもらおう
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綺麗だと出会いも恋もありそうでわざと私は太っているよ
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高鳴りを髪で隠した2人きり薄れつつあるオレンジのきみ
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大阪ゆきのサンダーバードを発見し故郷を思い出した福井駅
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営業の先輩・佐藤政さんの 頭がにょきにょき頭がにょきにょき
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初めての彼との花火大会の花火は一つも覚えていない
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金沢から特急しらさぎで1時間 越前市にある武生で降りる
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お昼すぎ すこしお出かけしたくなり キップを買って特急に乗る
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食べたいものがわからない あまい?しょっぱい?自分に尋ねる
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